米決算発表が本格化しています。現在のところ、決算に対する米国株式市場全体の反応は限定的ですが、IT・テクノロジー関連の決算が重なる今週(2014/1/20~)から来週にかけての市場の反応が重要となるでしょう。米株式市場はダウ平均よりもハイテク株主体のNASDAQ主導で株価が底上げされており、決算で好材料出尽くしとなれば、市場全体の調整のきっかけになりえる。無難に通過できれば、米国株の高値更新はしばらく続く可能性が高まるでしょう。ただ、高値更新のケースでも、前回お話しましたように、ダウの日柄で2/21前後は少し注意が必要です。

さて、中国1月HSBC製造業PMIが今日発表されました。この指標は、50を上回ると景況感の改善、下回ると景況感の悪化を表します。上海総合指数は12/4高値を起点に1ヶ月以上、下落相場が続いていますけど、2,000P前後のフシ目に到達しようやく下げ渋りがみられます。PMI は2013年8月に52.8まで上昇したあとは低下基調が続いており、発表された1月は49.6(速報値)と50の分岐点を割り込んでしまいましたが、指数は下げが続いていただけに大きなダメージはないようです。発表される前は指数の反転上昇のきっかけになるか、と注目していましたが、なかなか上手く見通せませんね。

一方、日経平均と日経中国関連株50の推移を比べると、日経中国関連株50は依然として2013年の5月高値を下回っており、相対的に少し出遅れ感が強いです。PMIの結果などをみると納得のいくところですが、日経中国関連株50に採用されている銘柄の中で足を引っ張っていたコマツ(6301)や日立建機(6305)などが1/22に大幅高となりました。PMI発表後も大きな悪影響はありません。市場は中国景気に対して、比較的楽観ムードの様子です。株価は景気に先行するといわれます。指標結果ほど悪くないとすれば、昨年高値からかなり下の水準で推移している三菱ケミカルHD(4188)、信越化学工業(4063)、三井化学(4183)など、化学セクターを拾っておいてもよいのかもしれません。

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東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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