日経平均株価は7月高値を起点とした上値抵抗線と6月安値を起点とした下値支持線とで形成されてきた三角もち合いを上放れ、5月高値15,942円が視野に入ってきました。高値更新は時間の問題との見方が強まるなか、それ以上に重要なのは1996年6月高値22,750円を起点とした右肩下がりの長期の上値抵抗線を越えられるか否かです。5/23高値が同線上で頭打ちとなったように、足元の上昇も同じパターンはありえるでしょう。

信用買い残が大幅に減ったとはいえ、戻り売りは続くでしょうし、年初来高値を付けた5月は東証一部の月間売買代金が82兆円(立会市場とToSTNeTの合計)まで膨らんだこともあり、さすがに5月高値前後では再び調整に転じるかもしれません。ただ、三角もち合いを上放れたあとの単なる揺り戻しであれば、14,500円~15,000円までの下落にとどまることが予想されます。そのケースになると、次に上昇に向かうときに節目となるのは、5月高値と戻り高値をつないだ短期の上値抵抗線になることが予想されます。

短期的に上昇が続く26週線が下値ではサポートにはなるものの、年末までに明確に高値更新にいたらないと、26週前が15,000円近くに上昇した7月高値の局面にあたるようになり、26週線の上昇トレンドの勢いが緩む可能性があります。そのために株価を押し上げる力が減少し、短期と長期が重なった上値抵抗線と、以前の三角もち合いを形成したときの下値支持線との間で、より大きな三角もち合いに変化します。次に26週前が8月安値の13,000円近くまで下落する2月ごろまでは、大きなもち合いが続くことになるかもしれません。

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東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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