今回は米国市場のダウ平均を取り挙げます。順調に史上最高値更新を続ける一方で、長期のチャート上では節目にほぼ到達したかたちとなっています。リーマン・ショック直後の2009年3月安値~2010年4月高値までの上昇幅(4,957ドル)に対するE計算値の目安が15,863ドル前後です。最近、16,000ドルに入ると伸び悩むのは、その影響です。同時に1998年以降では、下値を切り下げ、上値は切り上げる逆三角形の波動パターンが続いているとみれば、そろそろ長期の上値抵抗線で頭打ちとなり、反転調整に入る公算が大きい。2007年高値や2011年高値からの調整幅2,155~2,424ドルと同値幅が高値から生じるとみれば、13,550~13,820ドルまで調整することになります。
一方、短期波動でみると、5月以降の短期もみ合いを上抜けてきており、長期の上値抵抗線を越え、一段高が見込める局面でもあります。9月高値15,676ドル~10月安値14,776ドルまでの下げの倍返し(V計算値)となる16,576ドルが上値メドの1つです。2009年3月安値~2011年4月高値までの上昇幅(6,263ドル)を2011年10月安値からの上昇とみたN計算値は16,918ドル。また、2011年10月安値からの上昇を独立した波動と見た場合、2012年10月高値までの上昇幅(2,954ドル)に対するE計算値が16,564ドルとなり、総じて次の上値メドを16,000円台後半と想定できます。このまま上昇が続くでしょうか!
いずれにしても、短期であれ、長期であれ、現状ではトレンドフォローを優先する見方が適切です。上昇一巡後は比較的大きな調整が生じる可能性は高いですけど、上述した13,550~13,820ドル程度までの調整にとどまり、再び高値更新の波動につながれば、2007年10月高値~2009年3月安値までの下げ幅の倍返しとなる21,780ドル程度の上値があっても不思議ではないでしょう。

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東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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