ドル/円相場はチャート上で三角もち合い(トライアングル)にあるといわれています。三角もち合いの特徴は、①価格がもち合いに入った後に2つの山を結んだラインと2つの谷を結んだラインの延長が三角形を形成している、②反転ポイントは最低4つあり、通常は6つ必要である、③最後の反転ポイントには必ずしも到達することがない、などが挙げられます。パターンは、上昇三角形型、下降三角形型、対称三角形型に分けられ、5月高値以降のドル/円相場は対称三角形型に近い。教科書の習いでは、対称三角形のあとは、それ以前のトレンドが上昇ならば上昇が継続、下落ならば下落が継続しやすい、と書いてあります。ならば、円安・ドル高トレンドが続くシナリオとなります。
一方、足元までの値動きを細かく分けてみました。5月高値と7月高値を結んだラインと6月安値と8月安値を結んだライン(赤線)で形成される三角もち合いを9/2に上方向にブレークアウトしました。しかし、9/11高値から10/7安値までの調整で直前の8/28安値を下回り、三角もち合いからの上放れは否定されました。日柄調整が浅いがゆえに起きる事象なのでしょう。それによって、新たに形成された7月高値と9月高値を結んだライン(青線)を上値抵抗線とする三角もち合いを下放れた格好に変わり、10/17の戻り高値は6月安値と8月安値を結んだ延長線上で頭打ちとなっています。つまり、三角もち合いは既に下放れており、10/17高値までの揺り戻しは本格的に円高局面に向かう直前の動きなのかもしれない、という見方ができます。

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足元、下げ渋っている節目は、8月安値と10月安値を結んだライン(黒線)上。7月高値と9月高値を結んだラインとで形成される三角もち合いが継続中という見方もできます。しかし、10/17高値は7月高値と9月高値を結んだ反転ポイントに到達していない。これは上記③で示した、最後の反転ポイントに到達できない典型例です、いまのところはですが。
ここから、8月安値と10月安値を結んだラインを下回ると、6/13安値(1ドル=93.79円)に向けて円高が加速する可能性が高いと思います。
円安バイアスが再び復活するためには、7月高値と9月高値を結んだラインを上回るか、上放れが否定された9/11高値を越えなければいけない。でも、習い通りなら、そうなるのでしょう。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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