西洋と東洋のテクニカル指標に一致する点を少し採り上げたいと思います。一目均衡表は、細田悟一氏が長年の研究により考案した「相場分析手法」です。一方、RSI(相対力指数)は、米国テクニカルアナリストのJ.W.ワイルダー氏によって考案されたオシレーター系のテクニカル分析手法です。
今回は、一目均衡表の遅行スパンとRSIに一致する見方をご紹介したいと思います。遅行スパンとは、現在株価を当日を含む26日(週)前の位置に記入したものです。つなげると現在の株価と並行する線となります。26日(週)前の株価と遅行スパンを比較することで、「売り」と「買い」のタイミングを図ります。遅行スパンが26日(週)前の株価を上回った場合、好転の買いサイン。遅行スパンが26日(週)前の株価を下回った場合、逆転の売りサインとなります。

なぜ、遅行スパンが26日(週)前の株価を上回ったら買いサイン、下回ったら売りサインなのでしょうか? そこで、週足ベースの遅行スパンと週足RSIのパラメータを「基本数値」の26にし、両者の推移をみてみました。図表は、キヤノンとソフトバンクです。左メモリは遅行スパンと株価の乖離幅で、ゼロより上は好転、ゼロより下は逆転を示します。右メモリがRSI(26)です。図中の青線はRSI(26)の推移、赤線は遅行スパンの推移を26週先行させ、重ねたグラフです。RSIが50%を上回るタイミングで遅行スパンは好転、50%を下回るタイミングで遅行スパンが逆転しやすい、というヒントがみえてきます。

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RSIは50%を中心に上下動するのが特徴です。ある特定期間の上げ幅と下げ幅の合計変動幅に対して、上げた幅は何%あるか?ということを示します。50%を上回るということは、ある意味、強気相場入りということです。使うパラメータや商品、個別株によって動きに多少の違いはありますが、強い相場だとピークアウトしても50%ラインで止まって、再び過熱ゾーンに向かうことがあります。逆に、弱い相場だとボトムアウトしても50%ラインで止まって、再び売られ過ぎのゾーンに向かうことがあります。

50%ラインは、株価が微調整から本格調整に入るか持ち直すかの境目であり、一目均衡表の遅行スパンでいうところの逆転か、好転継続か。逆に、株価がアヤ戻しから本格反騰に入るか押し戻されるかの境目となりえる50%ラインは、遅行スパンでいうところの好転か、逆転継続かを見る水準に使えるのかもしれません。

週足の「26」のパラメータでは、RSIの50%ラインは遅行スパンの逆転や好転の境目を表す、ただ、ここでやったのは週足で「26」のパラメータだけですから、注意してください。面白いですね。ほかにも、西洋と東洋の異なる指標間には一致する点があるかもしれません。いや、あるでしょう。機会があれば、またその辺を追及していきたいですね。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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