買い戻しであろうが、実需買いであろうが、中身よりも株価の現象面の方がより重要なのです。日経平均は、直近の急速な戻りで200日線リスク(200日線の下落転換による株価の低迷リスク)が和らいできました! 200日線の上に視界が広がったことで、年内9900円コースではないでしょうか。いや、年内は9500円処まで、年明け9900円コースを辿るかもしれない、と思っています。ただ、そこまで戻っても、戻り売りが強く険しい道のりはまだまだ続きます。

そこで、注目なのは、日経平均のミラーチャート(鏡罫線)。チャート上で3/27高値を起点に左右対称に描かれた「絵」としてみた場合、昨年7/8高値からの急な下げ幅に対し、逆に足元の急反発をきっかけに上げが伸びてくれば、ミラー(鏡)のようになります。

しかし、ほんとうに不思議です。200日線リスクを避けるためには急反発しかない、と思いながらも、無理だろうな~と思っていたところの出来事でした。主力株のチャートをみると、もう少しの上昇で「絵」は様変わりしてきています。様変わりする前に仕込む手はありますが、だったら大和や野村などの証券株やメガバンク株でしょう。円安局面では相対的に目立つセクターではないですが、お年玉狙いなら、輸出株の順張りよりも、こっち。そうなれば、年明けに向け全体の出来高は増えるでしょう。

個別では日産化学工業(4021)に注目しています。スマホやタブレットPC向けに液晶表示用材料が好調。株価は高値圏のもみ合いを上回ってきました。信用買い残・売り残の取組も良好。短期的には1070円処。中期では1280円~1300円処までの水準訂正狙いです。

タクマ(6013)は再生可能エネルギー関連。主力の廃棄物処理プラント、国内外のバイオマス発電プラントなどへの期待が高まっています。足元の受注は増加。形態としては下半期の方が売上が多くなる傾向があるので、今後の業績動向がポイントになります。

株価は三角もち合いを上に抜けるかどうかの正念場。出来高の増加がシグナルになるでしょう。2011年6月高値を越える体力が付いてくると、600円近い動きはあるのではないでしょうか。

日経平均に連れ高した主力株に高値警戒感が強い一方、「急がば回りたい」局面だと思います。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ