9月30日は中秋の名月でした。台風の影響で突風が吹くなかでも、「満月」は夜中を通じて朝の出勤途中まで綺麗に見ることができました。ところで、「満月・新月」というと相場の転換点と合致するケースが多いことも有名な話。思い起こせば、日経平均が年初来安値を付けたのは6月4日の満月、7月4日の満月は戻り高値を形成した日となりました。8月2日の満月は8月3日安値が押し目買いのタイミングに。足元も、ここで反転できれば、なんとか格好は付くのですが・・・
しかし、日本株は戻りが鈍すぎる。円安だけが日本企業の主たる業績改善要因ではないといえども、円安がないとパワー不足ですね。日経平均とドル円は同じタイミングでレンジを抜け出してくるような気もします。今日はヒントになる場面がありました。東証の前場終了前後に円安が進行して日経先物は急伸しました。ある時点の小さな動きや反応は、もっと大きな局面で大きな変動として同じようにでてくることも。私は、そう思っています。
先日、日銀短観で示された大企業製造業の今期の想定為替レートは1ドル=79.06円。前回の6月調査時よりも、少し円安に設定されました。
想定為替レートを実勢レートが上回るようになってくると買いシグナル点灯(=株も)?あくまでも1つの目安ですが、移動平均線のような使い方でも大丈夫かもしれません。
商船三井(9104)は9月6日安値手前、ギリギリのところから切り返してきました。9月20日高値220円をクリアできるでしょうか? 9月6日安値から26日以内の反発なので、クリアできれば底入れパターンの「準備構成」です。
実は切り返すきっかけとなったのが、今期上期の業績「下方」修正です。しかし、10月1日の引け後に発表され、その直後の取引から反転上昇。その前に日本郵船が下方修正を発表し株価が下げなかったことで、商船三井の下方修正は悪材料出尽くしムードが一段と強まるかたちとなったわけです。9/6安値までの下げが下方修正する「だろう」の売り、10月1日安値からの反発はやっぱり下方修正「だった(事実判明)」の買いです。
バルチック海運指数(外航ばら積み船のスポット運賃や傭船料の指数)も戻り高値を更新しながら、じり高基調です。海運株は同指数に連動しやすいといわれていますが、実は業績面はそうではありません。例えば、商船三井で現在約900隻の船を運航しているそうですが、その中でバルチック海運指数に影響を受けるのは1割に過ぎないとか。なので、ここからは同指数の上げ下げに惑わされない方がいい。しっかり、9月20日高値をクリアしてからの買いの判断がベターだと思います。
個別では、メガチップス(6875)に注目。ゲーム機や映像機器、セキュリティ機器向けにシステムLSIを供給している会社です。特に、任天堂向けが主体ですが、今後は1社依存からの脱却、収益の一層の拡大に期待したいところです。このところ、任天堂株が安値から切り返す動きと歩調を合わせるように、同社株も下値が切り上がってきています。1850円処までに強い節目がありますが、そこをクリアできると2300円~2400円水準が期待できるとみています。9月に自社株買いを発表しました。10月26日に決算予定です。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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