知らない間に、商船三井(9104)の新値10本足が陽転しているじゃないですか!一目均衡表で曰く、底入れパターンの一種「準備構成」が形成できるかが焦点です。2012年9月6日に付けた想定安値(175円)に対して、26日以内に想定安値を割り込まず、反発できるかということです。
トヨタ(7203)はもち合い、証券株やメガバンク株などは下値切り上げが続くかがポイントです。大和証券G(8601)は次第に興味深い動きになってきました。主力株がそれぞれの状況(これまでの株価の動きや株価位置)を踏まえて、立ち上がろうとする気配が見えてきているようです。
日程的には、米国は政治・財政リスクなどもあって、追加緩和期待は続くと思いますが、9月以降の経済指標の改善が幾分続けば、追加緩和の出尽くし感が強まる可能性は高いと思います。そこで、米金利上昇をともなうドル高・円安に転じられるか。これまた、国内の大型株にとっては追い風ではないでしょうか。
中国株(上海総合指数)だけですよ、下げているのは。米ダウ平均を始め、アジアのタイや韓国、インドネシアにインド、渦中のスペイン株だって堅調な方。欧州主要市場もです。何を意味しているか? 私にもわかりません、でも株価は強いです。人間の判断は間違うことはあっても、株価(相場)は正直で間違ったりしないと思います。
中国株が低迷すれば東京市場はおびえるでしょう。バブルのときは日本が今の中国と似たような立場でした(経済大国という意味で)。しかし、そのバブル崩壊後、日本株は今もなお低迷が続いていますが、海外市場は逆に上がっていきました。
中国は確かに日本にとって最大の輸出国。コマツ(6301)を中心に関連株の下げは目立つでしょう。でも、IT相場のときの大相場でさえ、コマツは500円割り込む時期があったんですから。中国関連はもう主役ではありません。
日経平均は6月以降の安値を切り上げる動きを続ける以上、もみ合いからいずれ上方に加速する想定は続けておきたいところです。これまで何度かお話した、3月27日を中心とした左右対称は細かな動きにまで出ているよう。2011年8月中頃~9月下旬まで上値を切り下げながら上下動を繰り返しましたが、その動きが足元では対称的に下値を切り上げる上下動を繰り返す可能性があるということ。
2011年7月高値から急落する動きに応答して、急速に上に抜け出すタイミングとしては、10月31日~11月2日(7月高値から83~85日経過した日柄)に近いところではないかと。ドル/円の円安転換とぼぼ同じタイミングと私はみています。
リコー(7752)は欧州経済の先行き不透明感が足かせとなりますが、米国市場での複合機の回復や、構造改革の推進が収益の伸び悩みをカバーするといった流れ。信用取り組み面の妙味があるので、全体に連れ安の場面では注目です。630円~640円処が押しのポイントか。
もう一つは、スズキ(7269)です。インド事業の立て直しに対する期待が、株価の上昇を後押しする展開と予想しています。今期は、北米や欧州の苦戦のなか、パキスタン、インド、インドネシアなどアジア地域の四輪車事業で下支えがコンセンサス。昨日はインド子会社が従業員の賃上げを実施すると報じられましたが、株価は小幅安にとどまりました。株価は8月高値1586円を上回ってきますと、動きが一段と強くなってくると思います。
前回から輸出株ばかり言っているようですが、あくまでも中期リバウンド狙いです。来年後半に向けて主導する本筋は、やはり内需株ではないでしょうか。株価は毎日、毎週、毎月上がりません。なので、下げるときも長短はあれどリバウンドしながら下げるのです。
長く成長するのか、中期リバウンドに終わってしまうかは、事業の中身と上がりそうなチャートをしているかではないでしょうか。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ