「しもひとけたさん」のOKI(銘柄コード670「3」)は復活企業なるか?中国を中心とした新興国でのATM拡大期待、防災意識の高まりによるデジタル消防無線、プリンタ事業の採算改善などなど、わかりやすい材料があります。国内大手銀行のシステム統合や国民共通番号制度に伴う情報通信事業の収益拡大などを見込むアナリストもいます。株価は2009年以降ほぼ底ばいが続きましたが、出来高急増にともない一気にレンジ上抜け。足元はもみ合い。信用の買い残しが1400万株あり重荷となっているようですが、一段高に向けて仕込む局面とみています。
建前は「出遅れ外需株」。実は、長年、大相場から無縁だということです。バブル崩壊後、NEC(6701)や富士通(6702)は今の姿になる前にIT相場で華やかな時代がありました。その反動が強烈に今もなお続いているのです。一方、OKIはIT相場でもバブル高値を超えることができませんでした。IT相場で体力を使わなかった分、ここからが勝負ということなのです。
バブル相場高値組(建設や銀行などの内需)、IT相場高値組(ソニーや富士通など)、新興関連高値組(トヨタや商社株など)に分けたとします。
ここから上がりやすいのは、おそらくバブル相場高値組(建設や銀行などの内需)ではないでしょうか。なぜなら、調整期間が一番長いからです。今年の内需株の動きを振り返って、そう感じる方は多いと思います。その分類に電気セクターのOKIが入っているだけの話。なので、「出遅れ外需株」と仮にいわれる場面があったとしても、それは建前だけなのです。
もう一つ、「しもひとけたさん」といえば、KDDI(943「3」)。2012年7月の月間の携帯契約純増数がそろそろ発表される予定ですが、引き続きソフトバンク優位の展開が続くのでしょうか。株価上昇の勢いをみると、そんな感じなのかもしれません。
一方、KDDI(au)は「iPhone」効果もあって、今年に入ってからは5ヶ月連続でNTTドコモを抑え2位をキープ。ソフトバンクとの差は、4月は少し詰まりましたけれど、5月、6月は再び引き離されてしまった状況です。NTTドコモは最近、「iPhone」の導入に否定的な考えを明らかにしています。ドコモユーザーからの流出が懸念される中、その受け皿となるKDDIとソフトバンクの両者。仮に、KDDIがソフトバンクの純増数を逆転するようなことがあれば、KDDIにとってかなりポジティブな要因になるでしょうね。ただ、いつになることやら、ですが。
ソフトバンクの株価上昇の勢いが続けば、近いうちに過熱感が意識されるでしょう。短期的にあっても3,410円処でしょうか・・・、相対的に出遅れ感のあるKDDIへの資金シフトも想定しておきたいところです。「ソフトバンク売り、KDDI買い」は、十分あり得る投資行動ですよね。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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