買い方のシコリがほぐれません。2012年7月24日に発表された20日現在の三市場の信用買い残は1兆5217億円と高水準を維持。5週ぶりの減少となったのですが小幅にとどまり、相場の上値を重くする要因の一つとなっています。経験則では、買い残は株価が主要なピークを打ったあとの調整局面で増加する傾向があります。

逆張り志向の強い個人が押し目買いをするため、株価と信用買い残のピークはずれることが多いのです。一方、信用買い残が積み上がると、株価は早々に調整局面に転じる経緯を辿ってきました。足元も概ね、1兆3000億円を割り込む水準までは本格的な上昇はないとみた方がよさそうです。
  
一方、日経平均は7月4日の高値を起点に二段下げ目に入っていますが、値幅面や日柄面では底打ちしやすいタイミング。7/25は終値ベースで8,400円台を維持できませんでしたけど、3月27日の高値(10255円)を中心に左右対称的な動きは続いています。例えば、2011年10月5日の安値~10月31日高値までの上げ幅は「809円」。それに対して、7月4日高値から「808円」下げた水準が7月25日の安値となりました。左右対称が続くならば、次は上げ相場となります。

また、7月24日~7月26日は基調に変化が生じやすく、下げ止まりやすいポイント。2011年11月25日安値~3月/27日の高値までの日柄「83」を、3月27日の高値からの対等数値として先にあてはめると7月25日になります。「83」は一目均衡表では変化が生じやすい重要日柄。もし、下げ止まらなければ、次は8月8日前後が重要だと考えらます。

一方、リスクもあります。75日線が200日線を下回るデッドクロスが示現しました。25日線は下落基調が続きやすいことや、75日線とともに3月27日高値を起点とした右下がりの上値抵抗線などが強い節目となり、反発は限られそうです。当面は8,800円処を上限にもみ合いの展開が想定され、もみ合い収れんのあとは上振れ期待の反面、安値更新の動きも十分にありえるので注意が必要です。

今後は200日線の動きがポイントになります。200日線は当面横ばい基調が続きますが、株価が9,000円以下の水準でもたつく動きが続くと、200日前の水準が今年1月から急速に上昇した局面に応答することになります。そうすると、200日線は再び下げ基調に転じ、株価は同線を戻りの限界として下値模索につながる可能性も。それを回避するためには、秋口にかけて200日線をできるだけ早く上抜ける必要があります。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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