「化け線(バケ線)」とは、相場の下落トレンドにおいて、突如と出てくる1本のローソク足の大陽線のこと。多くは噂などで買いが集まって形成されるため、突然イレギュラーに出現するものです。底入れの決定線ではないのですが、この「化け線」が出ると、その後の下値は意外と浅いともいわれています。
例えば最近ですと、政府・日銀による介入があった9月15日のドル円のローソク足が大陽線。「化け線」がでると、翌日すかさず下方で寄り付き、ダラダラと下げるパターンが多いので、今回のパターンは少し格好が違いますけれど、何か雰囲気は似たような感じも・・・当時、人間心理をあやつった点でもタイミングはよかったという評価は多かったのですが、「逆張り」は介入とて効果なし、というものを証明するような結果に。大陽線でシコリができてしまい、逆にドル売り円買いが加速してしまいました。しかし、その加速する動きも一巡したような底堅さがみられます。

一目均衡表の値幅予測法にはN、V、Eなどの計算値などがあるのは何度もお話ししていますとおり有名です。最近は海外市場でも主流になりつつあります。為替のテクニカルアナリストから返ってくるメールにも、
「I use Ichimoku as well,it is getting increasingly popular in the West」、
とあるほど興味は高いそうです。ただ、一目均衡表の予測法は上記だけではなく、少し前にお話しました、背反値(はいはんち)といった考え方があります。N、Eなどの計算値は、上げ相場の上げ幅を次の段階の上げ幅に対等させた考え方なのに対して、背反値(はいはんち)とは、以前の上げ相場の上げ幅を下げ相場の下げ幅に対等させる、逆に以前の下げ相場の下げ幅を上げ相場の上げ幅に対等させる考え方です。

ドル円相場でいきますと、数値の取り方はいろいろありますが、例えば今年5月初旬の高値94.99円~直近付けた10月20日安値80.85円までは14.14円。実は、昨年1月21日の安値87.13円~4月6日の高値101.44円まで14.31円幅、ドル高円安方向に戻しています。つまり、足元の安値は以前の上げ相場の上げ幅を下げ相場の下げ幅に対等させた水準。背反値(はいはんち)でみた水準に来ていると判断できます。2008年にも3月17日の安値95.76円~8月15日の高値110.66円まで14.90円程度ドル高円安方向へ戻した局面がありました。

昨晩の米国市場でも、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において半年で5000億ドルの国債買い取り(従来予想は3000億ドル)で合意、との観測記事がでるほど、米追加緩和観測を背景にしたドル売りの流れが続くと見る向きも多いようですが、大勢意見が一致する方向に一段と動きがあるものでしょうか?「人の行く裏に道あり花の山」という名言があるとおり、「逆張り」を実行すべきチャンスでは・・・

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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