この反発は本物でしょうか?と、きょうある人から尋ねられましたが、いまや難しい質問になりました。 PERやPBRなどのバリュエーション面の低さだけで下げ止まる環境ではないですけど、大型の公募増資にともなう換金売り懸念などが幾分和らいでくれば、反発基調を強める動きになってくる可能性はあると思います・・・など、やや無責任な返答をしてしまった私。
景気減速懸念は以前に比べて強いですが、売り急ぐといった経済指標の結果でもないでしょう。経済指標の改善基調が続きますと市場予想といった期待値は大きくなりやすいもの。市場予想を下回ったからといって、大騒ぎする必要もないと思いますが・・・。

ただ、感覚的には個別株の信用買い残などをみると、どうかなぁ~と思う点もあります。反発局面でもそのシコリ玉がある程度の水準まで減少しないと、上値はそう簡単に軽くはならない。そういった意味で少し時間はかかると思いますが、大事なのは反発過程でも需給悪が改善されていくかどうか。次に大きく上昇できる下地を形成できるかどうかがポイントでしょう。

さて、一目均衡表の値幅の計算(高値や安値を予測する)では、これまでも時々ご紹介させていただきました、N計算値、V計算値、E計算値、NT計算値などが有名です。
最近は一目均衡表絡みのセミナーが重なったこともあって、そのあたりを非常に意識してマーケットを見ていますが、値幅の計算は上記の4つだけではありません。その4つを複合させた考え方もありますし、背反値(はいはんち)といった考え方などもあります。
N計算値とかE計算値は上げ相場の上げ幅を、次の段階の上げ幅に対等させた考え方なのに対して、背反値とは以前の上げ相場の上げ幅を下げ相場の下げ幅に対等させる、また逆に以前の下げ相場の下げ幅を上げ相場の上げ幅に対等させる考え方です。
要するに過去に生じた値幅は、将来もどこかで発生する可能性があるということ。その観点からは過去を分析することは、将来を予測する上で重要なことといえるのです。

足元の日経平均もその意味で興味深い動きです。例えば、昨年11月27日安値9081円~1月15日高値10982円までの上昇幅は1901円。それに対して、4月5日高値11339円~6月9日安値9439円までの下げ幅は1900円といった具合に・・・。また、1月15日高値10982円~2月9日安値9932円までの下げ幅1050円に対して、6月21日高値10238円~7月1日安値9191円までの下げ幅は1047円です。
ということは、2月9日安値9932円~2月22日高値10400円までの上昇幅468円を直近7月1日 安値9191円から上げたとすると、9660円程度。それこそ、一目均衡表の基準線レベル。そこまでの戻りはあっても、そこからが重要ですね。そこを超えて上昇できるようだと、本物に一歩近づくかもしれません。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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