この反発の動きはいつまで続くのでしょうか。2~3週間で終わるのか、2~3か月程度続くのか。日経平均の3月10日安値から3か月ですと、6月上旬くらいまでの上昇になります。それを望みたいところですね。昨年の戻り高値は6月でしたし、その前の2007年6月も18000円を挟んでウロウロしていた時期で、年間ベースでは高値圏でした。そして、2006年6月は年間安値でした。そういった意味では、今年の6月も相場の反転時期として要チェックですね。

 さて、日経平均は2007年高値から11300円程度(18300円から7000円として)も下げたわけですから、3月10日安値から18日までの上昇幅917円程度では相場が反転したと言い切るのは時期尚早すぎますよね。トレンドの転換は短期のトレンドから徐々に転換を確認していかなければいけません。見方としては直近高値を超えることが重要です。今回、日経平均の3月10日安値からで見ますと、3月5日高値や2月26日高値を超えることによって、目先のトレンド転換が確認されました。そこからさらに上方の株価の節目を抜くことによって、短期、中期、長期のトレンド転換が確認されていくわけですね。ですから、次のターゲット(障害物)は今年1月の高値などとなってくるわけです。

 そこで、直近高値を抜けるのを待っているといつまでたっても儲からない、という方もいるでしょう。でも、相場に確実はありませんが、値ごろ感で相場に入っていくよりも、トレンドの転換を確認してから相場に入っていった方が、結果的に損をしても少なく抑えることが出来るのではないかと思います。
 新値足というテクニカル手法があります。私が証券マンの頃、よく手書きで新値足を書いていた上司がいましたが、最近はあまり使っている人を見かけません。
 新値足というのは、不規則時系列罫線といいまして日本の代表的な分析手法です。不規則時系列というのは横の時間軸がカレンダーと一致しないやつです。 一般的なのは新値3本足です。まず、終値で高値・安値を更新したときに新値とみなして、積み木のような形で随時更新していきます。例えば、ある日の株価の終値が500円、そして翌日の株価の終値が498円だとします。一般的な陰陽足ですと、時間軸を右に一つずらして終値が498円になるようにローソク足を書くわけですが、新値足は新値を更新しない限り新たに書くことはしません。そのケースで、翌日の株価の終値が505円だったとします。5円新値をとったことになりますので、新値分の5円だけ時間軸を右に一つずらして積み木のようにつなげていくのです。上昇ならば白(陽線)、下落ならば黒(陰線)が一般的です。そして反転ポイントは直前3本の陽線を下回れば陰転し、直前3本の陰線を上回れば陽転し、そこで相場の転換点を判断します。当然、反転基準を変更することも可能です。反転基準をより長くすると、それだけ判断が遅くなります。逆に反転基準を短くすると反転が頻繁に起きることになり、その分ダマシ(陽転したのに直ぐに陰転してしまう)が多くなるということです。
 どちらが良いかは、投資家それぞれの時間軸の長さ(投資スタンス)にもよりますが、日経平均で高値から11300円も下げた現在のような相場では、やや反転基準を長くしてもいいように思います。新値10本足ぐらいでしょうか。弱い相場は戻りが少ないし、強い相場は戻りが大きくなるものです。ある程度戻りの強さを見てから判断しても良さそうですが・・・。
 ちなみにTOPIXは840.86Pを終値で上回れば新値10本足が陽転します。あと80.0P程度。新値3本足は既に陽転しています。日経平均は9521.24円を上回れば新値3本足が陽転、新値10本足の陽転に関しては11154.76円を上回らなければいけません。また、米国のダウ平均は8175.77ドルを上回れば新値10本足が陽転します。

 信用の買い残や裁定の買い残などの仮需は良好ですから、一旦方向が決まってしまうと、なかなか押し目らしい押し目を作らない。そういう時は米国株が下げても関係なし。米国頼みの相場予測はやめた方がいいですね。下げに慣れているから少し上昇しただけで、相当買い遅れたように感じるものです。ここは落ち着いて、新値3本足の陽転銘柄から買っていく方法もありかもしれません。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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