一目均衡表の話の続きになりますが、明日12日から基準線が下落します。基準線というのは直近26日間の高値と安値の中値の数値のことです。一目均衡表を構成する5本の線のなかでも最も重要とされている線です。基準線が下落する場合、時には株価の下への可能性が強まる重要なシグナルともなるのです。まさに、基準線は現在の相場水準といっても過言ではありません。株価の25日移動平均線からのかい離の度合いによって、短期的な25日移動平均線までの反発や反落を見込んだ投資手法があるように、基準線からの離れによっても同様の使い方は出来るかと思います。

 基準線といえば、いつもこのコーナーで出てくる協会なのですが、その中の研究会で現在、"来月の相場をみんなで考える"というテーマで、翌月の研究会の日の日経平均の予想値を参加者全員で予測しています。翌月、予想値が実際の日経平均と近い人に、どのような分析方法を使って予測したのかどうかを発表していただく・・・といったことをやっているのですが、今回12月9日の株価の近似値を当てた人の中には、基準線の動きだけを判断材料にされた方がいらっしゃいました。私に言わせれば、素晴らしいの一言ですね。基準線という一本の線に収れんするという考えのもとでは、十分だったのでしょう。 いくら複雑に考えても当たる確率が高くなるわけでもありません。意外と単純に考えたほうが当たるケースが多いですよね。
 
 基準線の方向を自分なりに予測することは可能です。直近26日間の高値と安値の中値ですから、直近26日間の高値が計算対象から外れる日が下がりだす日です。それがわかるだけでも少し違うでしょう。
 現在の日経平均ですが、明日12日から基準線が下落しますが、基準線そのものが下落しても、株価が基準線の上方の位置を維持した場合、次に基準線が上昇するのはいつごろになるかを予測するのです。26日間の高値と安値はザラ場ベースを含みますので、11月21日安値が計算対象から消える日を推測するわけです。そこで注意が必要なのは、その安値をさらに下回る安値をそれまでにつければ、その瞬間に基準線は下落するということです。
 直近26日間の動きですから、現在株価が直近26日間内の安値を更新すれば、前日の基準線からもう一段下がるということになりますね。やや難しくなりましたけども。
 とにかく、一目均衡表には「26」という数字がよく出てきます。先のところで指摘しました5本の線のなかで遅行スパンというものがありまして、それはその日の終値をその日を含めて26日前に戻して形成される一本の線です。ついでに申しますと、残りの3本の線のうち、2本は逆に現在よりも26日間先行させて形成される線です。前回の「準備構成」でも「26」という数字は出てきました。
 今年の4月に採り上げたことがあるのですが、一目均衡表の基本数値「26」とは一体なんなのでしょうか。解明していく余地はありそうですね。

 明日基準線が下がるということは、11月5日高値が基準線の計算対象から消えることになります。ということは、今日は11月5日高値から「26日目」にあたります。結局、何もないケースも多いのですが、今回は13日の満月と重なったことで少し気になって書きました。

 満月・新月にこだわるつもりも無いですが、アマゾン川のポロロッカのように引力によって自然界、また人間の感情って変わるものといわれます。以前、何かの本で読んだことがあるのですが、満月・新月は交通事故が少なくなるとか・・・。よく覚えていませんがそんなことが書いてあった記憶があります。ただ、昨年夏場からでも日経平均の高値、安値近辺は満月・新月が多いのは事実です。月のサイクルは29.5日。約1か月として、昔は土曜日も取引ありましたから、そこから日曜日の4日間差し引けば25.5日サイクル。何か不思議な日数ですね。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ