1月22日の安値からの上昇は25日移動平均線までとなりましたが、そこから「アッ」という間に13000円スレスレの水準まで急落となりました。
このようなパターンによく似たケースでは、直近では昨年8月の急落局面が思い出されます。急落後、8月安値から9月の戻り高値までの上昇幅は1313円でしたが、その後73%程度の下落で二番底形成となりました。今回も何故か1月22日安値から2月4日高値までの上昇幅は1316円となっており、仮に昨年と同率下落したとなると、12920円前後の水準となります。

 値幅はどうであれ、二番底を形成する過程での「下げ」って、意外と「ガツン」と今回のような下げ方をするのです。心理状態としては、国内企業の決算内容の下方修正や据え置きなどが必要以上にネガティブ要因として解釈され、売り叩かれています。一方、米国でも、「サブプライム」の次は「モノライン」。
悪材料ばかりが目立つ状況です。1月22日に逆張りで買い向かった投資家は、勇気を振り絞って買ったに違いありません。だた、また何かあったら直ぐに売らなければいけないと思っているに違いありません。つまり、1月22日には疑心暗鬼で買ってまだ警戒している分、昨日のような下げになると直ぐに「利益確定」で売りたくなります。利確できていない人がほとんどだと思いますが・・・。買い方にしても長期投資のスタンスの人でも、明日下落すると思ったら、今日買う人はいませんよね。だから意外と「二番底」を形成する急速な下げでは「振り落とし(買いの信念が乏しい買い方の投げ)」に巻き込まれてしまうケースが多いのでしょう。でも、実は切り返し、「あぁ」、「売ったら上がった」ということになるのです。そして、前回の高値を超えたところで、今度は疑心暗鬼から確信に変わり、「二番底」完成から、出来高が増えるというのは、よく言われるところです。

 では、急落後の今日の動きはどうでしょうか。ご参考までに、この局面で信頼性が高そうな判断基準は、今日どのような終わり方をしそうか。つまり、人間の心理を直接表現した「ローソク足(四本値)」ですね。これはほとんどのテクニカル指標の基本となるものなので、それを判断するのが一番有効なのでは、・・・と思っています。結果論かもしれませんが、1月23日に形成した「はらみ足」の買いシグナル。28日の「上げ足のタスキ足」の買いシグナル。そして、2月5日の「陽の陰はらみ足」で目先限界シグナル。教科書通りの動きです。昨日(6日)の下げは、4日に25日移動平均線まで到達した後、5日に売りシグナルを発した後の教科書通りの下げと考えると、どうでしょうか。仮に今日、十字足(寄り付きと終値が同値で上下にヒゲがついた線)やコマ(寄り付きと終値が極端に短い)など転換しやすいシグナルが出現すれば・・・。2月8日は米国株の変化日です。為替市場もG7を控えて動きません、そろそろどちらかに動きそうです。三連休を控えています。週足ローソク足では、先週まで2週続けて買いシグナルが出現。そして、よく使われている13週や26週の移動平均線が重要ですが、来週の傾きを予測してみてください。参考までに・・・予測の仕方は、来週の13週線を計算すればよいのです。来週の13週線は、今週から数えて13週前の株価が計算対象から消えて、来週の株価がプラスされて単純平均されます。来週の株価はわかりませんので現段階では横ばいの動きと想定します。結果、今週までの13週移動平均線の傾きが来週どのような傾きになるかを推測できます。来週の13週線はあまり大した変化はなさそうですが、今週からカウントして26週間前の株価が大きく下がっています。よって、26週線の傾きが緩やかになることが推測できます。

 たとえになるかどうかわかりませんが、まず下向きの移動平均線が「下にたらしている釣り竿」、株価が「魚」と考えてください。釣り竿を引き上げる(移動平均線の下落が緩やかになる)と、魚が釣れあがります(株価は上がります)。その代わり、「重量級の魚(売り圧力が強い)」となりますと、重くて切れてしまい。その魚は深くもぐってしまいます(株価は深く下がる)。そんなイメージです。私はそんな感じで日ベース、週ベースといつも勝手に推測しています。

以上、いくつかの要因から、来週の株式市場をどのように判断しますか。
(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)