国土交通省は全国の公示地価を昨日発表しました。三大都市圏に限らず、地方圏でも地価は上昇に転じてきており、量的緩和(アベノミクス)、インバウンド(訪日客)の増加などを背景に、いわゆるデフレからの脱却が確実になりつつあることを印象づけました。

ところでこのニュースなのですが、「率」がいつも注目されますが、私はもっと「量」に注目すべきだと、かねて思ってきました。以前にもこのつぶやきで書いたこともあります。そもそも全国平均の上昇率は、全国の地価の総額の上昇率ではなく、全国の計測ポイントの上昇率の単純平均であり、加重平均されていないと思われます。経済は「量」が大切なので、意味のある指標としては、本当は地価総額の概算値を計算すべきだと思います。

この問題の最たる例が、今年の住宅地上昇率トップ。これは海外からのスキー客が多いニセコ近くの倶知安の土地なのですが、なんと前年比33.3%上昇!しかしその実態は、1平米当たり2万1千円が2万8千円になったものです。それが果たして、日本全国の経済にどれだけの意味を持つのか?金融市場においても、流動性のない金融商品の価格の動きにはあまり意味がありません。

経済や、なべてお金の世界は、「率」ではなく「量」が重要なので、これらデータや発表・報道の仕方は、もう少し考え方を変えた方がいいと思います。