今、私の目の前に、10兆ドルの紙幣があります。おもちゃではありません。実際に2008年にジンバブエで発行された、法廷紙幣である、TEN TRILLION DOLLARS紙幣です。

ジンバブエのムガベ大統領は37年間独裁を続け、その間にやりたい放題をしました。極端な外資冷遇政策等もあり、その通貨は暴落に暴落を重ね、ウルトラハイパーインフレとなり、最高で100兆ドル紙幣まで出しました。私の持ってるのは残念ながらそれより一桁小さい10兆ドル紙幣なのですが、それでもかなり希少です。何が希少かというと、ハイパーインフレになって通貨が暴落した小さい国は他にもありますが、通常はこのような高額紙幣は発行しないのです。正に分単位でインフレが進んでいくので、紙幣を発行する意味があまりないのです。然しながらジンバブエでは、おそらくムガベが紙幣印刷会社(ドイツでしょうか?)との間で私利を肥やすために、世界史上例外的にこのようなウルトラ高額紙幣が発行されることになったのです。

そのムガベが、遂に辞職するとのこと。10兆ドル紙幣は、愚かな独裁者がどこまで国をダメにするかを教えてくれます。そしてそのような愚行を止めないことが、どれだけ大きな代償になるかを教えてくれます。本当に辞めきるまで、要注目ですね!