ゴールデンウィーク(GW)明けの本日(7日)、日経平均株価は前営業日終値比で大幅安の水準からスタートし、執筆時点には14200円を下回る水準まで下押しています。前回(4月30日)更新分で述べたとおり、年初からの弱気トレンドはなおも継続している模様であり、注目の75日移動平均線(75日線)と200日移動平均線(200日線)との値幅はあと数十円というところまで縮まってきました。

75日線が200日線を下抜けるデッド・クロスが示現すると、その後の下げ足は一段と加速する可能性があり、当面の日経平均株価は4月11日につけた安値=13885円を意識した展開になる可能性が高いものと見られます。日経平均株価が再び14000円を割り込むとなれば、やはりドル/円にも相当の下押し圧力がかかることとなるでしょう。いや、むしろGW中にドル/円の下押し圧力が強まったことにより、結果的に足下で日経平均株価が大幅安になっていると言うべきなのかもしれません。

周知の通り、先週2日に発表された4月の米雇用統計における非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは予想を大きく上回りました。この結果を受け、直後のドル/円は一時103円台を回復する動きとなりましたが、ほどなく急落に転じて結局は「往って来い」の展開。同日のドル/円の日足ロウソクは長めの上ヒゲを伸ばす格好となり、チャートフェイス的にも弱気ムードが拡がりやすい状況となりました。そして、何よりNFPの伸びが相当に大きかったのにも拘らず、後に米長期金利が大きく低下し、ドルが強く売り込まれたことへの失望が大きく、今後もしばらくは尾を引くものと思われます。

下の図でも確認できるように、週明け5日、6日のドル/円は一段と下値を切り下げる格好となり、昨日(6日)は一時的にも101.50円を割り込む水準まで下押しました。この日の安値水準は、以前から本欄でも指摘しているように、2月初旬から形成されている緩やかな上昇チャネルのレンジ下限水準にあたります。言い換えれば、重要な節目水準まで下押したからこそ、そこで一旦は下げ止まったとも言えるでしょう。思えば、4月4日に3月の米雇用統計が発表された後もドル/円は急落し、4月11日にレンジ下限付近で下げ止まって一旦は反発しました。ただ、その後の戻りは一目均衡表(日足)の基準線が位置する水準あたりまでに留まる弱々しいものとなりました。

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今、まさにドル/円は前述のレンジ下限を下抜けるかどうかの瀬戸際にあります。もはや3カ月余りという長い期間に渡ってレンジ内の動きを続けてきたわけですから、そろそろ下放れる展開となってもおかしくはありません。ここで仮に、2月初旬から形成してきた上昇チャネルのレンジ下限を明確に下抜けるとすれば、そのインパクトはそれなりに大きいと言え、その後のドル/円の下げは加速しやすくなる可能性があります。

当座の下値メドは、3月に幾度か下値を試した101.20円あたりと見られますが、同水準を下抜ければ2月4日安値=100.75円まで目線は下がることとなるでしょう。さらに、少し長い目で見れば一旦は100円を下回る可能性もあるものと筆者は考えており、上図中では紫線で示したようなN字型の波動を描くことになるのではないかと見ています。これはあくまで一つのシナリオですが、常に幾つかのシナリオを描くことはとても重要です。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役