いわゆるボラティリティ、マーケットの中における価格の変動が下がっています。
これには様々な背景があり得ます。1.世の中がそもそもあまり動かなくなっている、2.規制の関係でマーケットが動きづらくなっている、3.お金が溢れてマーケットに集中するので現象としての価格は動かなくなっている。

先ず理由の1ですが、これは何となく違和感があります。トランプ、北朝鮮、等々。
むしろ昔よりも今の方が世の中の動きは激しい気がします。では理由の2、規制が原因か?それはあるでしょう。しかしマーケットがルールの拙さによってボラティリティを上げることの方が、それを下げることよりも多そうに思えます。恐らく理由の3が、一番大きい理由でしょう。

本当に大きなお金があれば、マーケットを止めることが、短期的には少し可能です。その間にオプションを売ってプレミアムを稼ぐとか、そんな行動も、一部では行われているかも知れません。そうすると何が起きるか?いずれブロウアップ、即ち暴れ出すことになるでしょう。リーマンショックの時に起きたことも、或る意味似ています。金利やスプレッドが下がる・狭まる中で単位投資金額当たりのリターンが下がるのでレバレッジを効かす。追加リターンを得るためにボラティリティ(オプション)を売る。そう云ったポジションがパンパンに膨れて積み上がった後に、あの崩落が起きた訳です。

最近のマーケットで観測されるボラティリティの低下は、それに似た背景を感じます。ま、しかし今回は、とにかくお金・流動性が大きい、と云うことを端緒としているので、バブル崩壊的になることは、自己矛盾的で中々起きないとは思います。バブルが崩壊したら流動性を供給する訳で、流動性が過多で起きている現象が、バブル崩壊のきっかけにはなりにくいと思うからです。そう考えると、アメリカの今後の金融政策は、本当に注目ですね。冷静に観察する必要がありそうです。良い週末をお過ごし下さい。