ついに、ドル/円は一時的にも103円台に乗せ、5月22日高値=103.73円まであと一歩という場面を垣間見るに至っています。以前から本欄で述べているように、目下の局面を10月8日安値=96.57円を始点とする「第5波」と見るならば、まずは当然、103.73円を上抜けるかどうかが目先の焦点となってきます。同水準を上抜けた場合には、本欄の13年11月20日更新分で述べたように104.72円~105.50円あたりが一つの上値メドになってくるものと見られます。なお、場合によっては「第5波」にフェイラー(未達成)が生じ、103.73円を攻略できない可能性もあるということは、一応頭の片隅においておかねばなりません。

目標となる水準の問題はさておき、今回は現在進行中と見られる第5波が「いつごろ終点を迎えるのか」という点について考えたいと思います。決して容易いことではありませんが、やはり予測することは重要です。結果はどうあれ、現在の予測が正しいとするならば今、どのような投資スタンスを構えるべきかを考えることが大切なのです。

一つの参考としたいのは、以前本欄でも取り上げたことがあるドル/円の過去の価格推移から導き出される「45-50週安値サイクル」の考え方です。下図は、07年6月に124円台の高値をつけて以降、最初につけた主要な安値からその後の主要な安値、そのまた次の主要な安値までに経過した週の数を示したものです。大まかではありますが、そこには大よそ45-50週ごとに主要な安値をつけるパターンが認められます。

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たとえば、11年10月下旬にドル/円が75円台の安値をつけてから、12年9月中旬に77円台の安値をつけるまでの期間は「48週」でした。このことから、過去に本欄では「次に主要な安値をつけるのは12年9月中旬から45週が経過する13年7月下旬以降」、「そのサイクルの山の頂点は13年4月半ばごろ」と予測しました。結果的に、山の頂点となったのは5月22日であり、サイクルの終点は6月13日となったわけで、このサイクルの期間は「38週」と少々イレギュラーな格好になりました。これは、5月22日高値からの調整が「三角保ち合い」となったことに拠るものと思われますが、詳細は他の機会に譲ります。

今考えたいのは、6月13日安値をつけた週が次のサイクルのスタートであるとして、その終点はいつごろであり、そのサイクルの山の頂点(=第5波の終点と見られる)はいつごろになるのかということです。まず終点ですが、それはスタートから45週が経過する4月下旬からそれ以降になるのではないかと一応は予測されます。

次に肝心な山の頂点ですが、前回のサイクルではスタート(12年9月中旬)から36週が経過したところで頂点を迎えましたから、それを今回のサイクルに当てはめれば14年2月下旬あたりが頂点となる可能性もあります。ただ、すでに現在はスタート(13年6月中旬)から25週(50週の半分)が経過しようとしているわけですから、実際にはそろそろ山の頂点をつけに行ってもおかしくないということにもなるわけです。要は、今現在から年明け2月あたりまでに第5波が終了する可能性があるということになり、前述した当面の上値メドとの関係から考えても、やはり今後はつとめて慎重にドル/円相場と向き合う必要があるということになるものと思われるのです。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役