前回(6月19日)更新分で述べたように、目下のドル/円は5月22日につけた高値=103.73円から始まった「第4波の修正波」の局面にあると見ることができ、この「修正波」はa-b-cの3つの波で構成される可能性が高いものと思われます。

ここで、6月13日の安値=93.79円までが「a波」であったと仮定した場合、それ以降は「b波」のリバウンド局面に入ったと考えることになり、実際、6月20日に5月23日以降の下落局面の中で形成された上値抵抗ライン(下図の紫点線)を明確に上抜けたことからも、目下は「b波」の局面下にあるとの感触が強まっています。

そうであるとするならば、次に焦点となるのは「この『b波』のリバウンドはどのあたりで終点になるのか」ということです。つまり、目先の戻りメドはどのあたりかということであり、それは一つに一目均衡表(日足)の「雲」下限、あるいは21移動平均線(21日線)と想定することになります。その実、昨日(25日)までのドル/円は、「雲」下限ならびに21日線を終値ベースで上抜けてはいません。

ちなみに、日中(ザラ場)の高値は6月24日につけた98.70円であり、これは5月22日高値から6月13日安値までの下げに対する50%戻し=98.77円に近いことから、同水準を以てすでに「b波」は終了したと考えることもできなくはありません。

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ただ、執筆時のドル/円が21日線を上抜けてきていることも事実であり、場合によっては今後「雲」下限を上抜けてくる可能性もないとは言えません。いきおい、6月24日高値=98.70円や50%戻し=98.77円を明確に上抜けてくれば、次に40日移動平均線(40日線)、あるいは61.8%戻し=99.94円を試す展開となる可能性も十分に残されていると言えるでしょう。

仮に、一段の戻りを試す展開となったとき、やはり注目しておきたいのは一目均衡表(日足)の「遅行線」です。この「遅行線」が再び日々線を力強く上抜けるような展開となるのか、それとも一旦は日々線の抵抗にあって「遅行線」が再び下向きになるのか...。「第4波の修正波」がa-b-cの3つの波で構成されるとするならば、自ずと「b波」の戻りには限界があり、「遅行線」と日々線の関係は後者のパターンとなる可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

セオリーに基づいて考えれば、あくまで目先のリバウンドと考えられる「b波」はいずれ終了し、後に訪れる「c波」の終点は「6月13日安値=93.79円と想定される『a波』の終点よりも低い水準に位置する可能性が高い」ということになります。そうであるとするならば、戻り一巡後の下値メドは、一つに昨年9月安値から今年5月高値までの上げに対する38.2%押し=93.58円、あるいは4月2日安値=92.57円、2月25日安値=90.88円などが想定されるところとなるでしょう。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役