前回(6月12日)更新分でも述べたとおり、目下のドル/円には複数の弱気シグナルが灯っており、いましばらくは調整局面が続くものと見られます。この調整局面は、エリオット波動理論に基づく一つのシナリオからすると「第4波の修正波」にあたると見ることができ、その点は過去に本欄でも幾度か触れてきました。では、ここであらためて本シナリオを整理しておき、今後の相場予測の一助にしたいと思います。

エリオット波動理論によれば、強気相場は3つの大きな上昇波からなり、この相場は上昇波よりも小さな2つの下降波を併せ持つ「合計5波動」の構成とされています。この5波動のうち奇数番号(1・3・5)の波動は全体トレンドと向きが同じであり、これらは「衝撃波」と呼ばれます。また、偶数番号(2・4)の波動は全体トレンドと逆方向の動きであり、これらは「修正波」と呼ばれます。

下図に見るように、足下のドル/円相場にあてはめれば、12年2月安値から12年3月高値までが「第1波」、12年3月高値から12年9月安値までが「第2波」、12年9月安値から13年5月高値までが「第3波」、そして執筆時は「第4波」の局面に入っているものと見られます(もちろん、これはあくまで一つのシナリオであり、場合によっては他のシナリオが有効となる可能性もないではありません)。

20130619_Tajima_graph.jpg

ここで、実際の価格推移をさらに細かく見てみると、衝撃波は5つの波(ⅰ-ⅱ―ⅲ-ⅳ-ⅴ)、修正波は3つの波(a-b-c)に細分されていることに気付きます。そうなのです。トレンド方向へと進む衝撃波は「常に5つの波」を持ち、反トレンド方向へと進む修正波は「常に3つの波」を持つのです。このことは非常に重要で、たとえば上図に見る「第2波の修正波」もa-b-cの3つの波を持っており、c波の終点はa波の終点よりも低い水準に位置しています。つまり、a波が終わった後のb波は単なる目先のリバウンドに過ぎず、このリバウンド局面において早計に「第2波が終了した」と判断してはならないということです。

これを踏まえて足下の相場に注目してみると、5月22日高値=103.73円から始まったと見られる「第4波の修正波」もa-b-cの3つの波を持つはずであり、たとえ目先的にリバウンドが生じたとしても、そこで「第4波が終了した」と判断してはならないということになります。執筆時はFOMC声明やFRB議長会見を間近に控えていることもあって確たることは言えませんが、仮に直近(6月13日)安値=93.79円からのリバウンドが生じたとしても、それはあくまでa波が終わった後のb波に過ぎず、後に訪れるc波の終点は「a波の終点よりも低い水準に位置する可能性が高い」ということになります。

なお、これまでに本欄でも幾度か述べているように、過去のドル/円の価格推移に認められる「45―50週(安値)サイクル」に基づいて考えると、足下の調整局面は昨年9月安値から45―50週後にあたる7月下旬~8月下旬あたりまで続くものと考えることができそうです。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役