昨日(7日)、オーストラリア準備銀行(中央銀行/RBA)は理事会を開き、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートを0.25%引き下げて、8日から過去最低水準の年2.75%にすると発表しました。理事会後の声明でRBAのスティーブンス総裁は「利下げ余地の一部を利用することを決めた」と説明しており、場合によっては一段の利下げに踏み切る可能性があることも示唆しています。

当然、このような状況下で豪ドルを積極的に買い上げて行くことは難しく、豪ドル/ドルは過去およそ10カ月に渡って形成されている1.0115ドル~1.6025ドルという取引レンジの下限付近まで下押し。豪ドル/円も一つの節目と見られる100.40円~100.60円あたりの水準まで下値を拡げる場面がありました。

ここで、あらためて豪ドル/円のチャートを眺めてみると、そこに日足の一目均衡表を描画した場合、その「遅行線」が数日内に日々線の壁に突き当たり、場合によっては日々線を下抜ける可能性があるということがわかります(下図参照)。これまでに本欄で幾度も述べている通り、一目均衡表の考案者である一目山人(ペンネーム)氏は、長年の研究をもとに「(遅行線が)最も大事」と述べています。そして、言うまでもなく遅行線が日々線を下抜けてきた場合の投資判断は基本的に「売り」です。

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遅行線は、現在の市場価格(終値)を当日を含む26日前の位置に記入し、現在の水準を26日前の相場と比較するものです。過去を振り返ると、たとえば図中Aの場面で遅行線は日々線を上抜け、それ以降、現在に至るまでおよそ7カ月間に渡って基本的に強気相場が続いています。より細かく見ると、たとえば図中Bの場面で遅行線は一旦大きく下降していますが、結局は日々線を下抜けることなく、後に再び上昇に転じています。これは今年の2月27日に一時的にも93円割れの水準を垣間見ながら、ほどなく再び上昇に転じた場面と呼応しています。このとき、豪ドル/円の安値は一目均衡表の「雲」上限に支えられた格好となっている点にも注目です。

このように遅行線は「雲」の上限・下限(先行スパン1・先行スパン2)や、(図中には描画していませんが)基準線、転換線などとの関係とも絡めて総合的に判断することが重要とされています。たとえば、図中Cの場面でも遅行線は一旦、日々線付近まで下降したものの、ほどなく再び上昇に転じていることがわかります。このときも今年の4月2日に97円割れの水準を垣間見た安値が、少なからず一目均衡表の「雲」上限を意識して下げ止まったと考えることができるものと思われます。

その点、現在は数日内によほど急激な豪ドル/円の上昇がない限り、遅行線は一旦日々線を下抜けるものと考えられます。そして、重要な心理的節目でもある100円を下抜けるような展開となった場合には、日々線自体が「雲」のなかに潜り込み、さらに下押した場合には「雲」下限をも下抜ける可能性があるのです。よって、とくにここ数日は遅行線と日々線、日々線と「雲」の関係などをしっかり見定めておくことが重要と思われます。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役