国際会議でも、会場で出る質問も、廊下でメディアに聞かれる質問も、ほぼ間違いなく二元論的な質問です。「国際会議でも」と書き出したのは、日々マスコミの論調で二元論的なものにうんざりすることが多いのですが、サマーダボスなる立派な国際会議ですらそうだ、という意味です。FEDのテーパリング(金融緩和の膨張を抑えていくこと)は日本の経済に影響を与えるか?エマージングマーケットに対してはどうか?例えばそのような質問です。影響が全くない筈もなく、しかし国によって影響の大きさは違い、経済やマーケットには100対0はなく、70対30なのか60対40なのか、というような程度の違いがあるだけです。マーケットの真髄はデジタル的に上か下かではなく、程度にあると私は思っています。光と影は、いつまで光でいつから影という視点ではなく、どういう光と影が混ざり合いながら結果としてどのような明るさをもたらすかを考えるべきだと思います。二日酔いになることを考えながらお酒を飲むことはしません。
先ず飲んで楽しむことです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。