今回も前回(2011年11月30日更新分)と同様、豪/ドル円のチャートをもとに相場分析・予測の方法について検証を重ねて行きたいと思います。果たして、前回の予測の結果はいかに...。

まず、前回は「一目均衡表の日足『雲』を終値ベースで上抜けてきたことは強気シグナルと捉えられ、今後は同水準を下値支持役とする可能性が期待される」と述べました。

そして案の定、その後の推移は日足「雲」上限を下値支持とする展開になっています。もちろん、今後もこの日足「雲」が下値を支えると考えるのが基本です。

次に目先の戻りメドですが、前回は「10月31日高値から11月24日安値までの下げ幅に対する50%戻し=79.37円、61.8%戻し=80.45円などが意識されやすくなる」と述べました。

そして、豪/ドル円は11月30日に50%戻しの水準を上抜け、12月2日には61.8%戻しの水準にほど近い80.54円で直近高値を付けるに至りました。ここでひとたび61.8%戻しの水準に達したことは、暫くの間、目先の目標到達感が漂いやすくなることを暗示します。その実、12月5日以降の値動きはやや調整色が強いものとなっています。

また、前回は「一目均衡表の遅行線が、なおも日々線の下方に位置している」という点についても指摘しました。一目均衡表の考案者である一目山人(ペンネーム)は「遅行線が最も重要」としており、その遅行線が執筆時においても日々線を容易に上抜ける状況にないことはもとより、いまだ日足「雲」上限をも明確に上抜けていないことからして、しばらくは上値の重さが感じられる展開となることが想定されます。

図:株式会社アルフィナンツ作成 ※グラフをクリックいただくと拡大版をPDFファイルでご覧いただけます。

とはいえ、なおも大きな流れは上昇基調にあり、少々時間をかけながらも前回指摘した「逆三尊」のネックライン(2011年9月1日高値と同年10月31日高値を結んだ直線)を意識した展開が続くとの見立ては継続したいと思います。

ここで、もう一つのテクニカル項目、MACD(マックディー)を加えて見てみましょう。MACDについては本欄の2011年8月10日更新分で詳述していますので、よろしければご参照ください。

このMACDの最もシンプルな使い方の一つは、MACDがシグナルラインを下から上に突き抜けたら「買い」のサインと考えるというものです。過去を振り返れば、チャート下段の【A】や【B】の時点、そして直近では【C】の時点において、明確に「買い」のサインが出ています。

今後は前述した遅行線の動きに注目しながら、しばしもみ合い後に直近高値=80.54円を上抜けるかどうかに要注目。ちなみに、61.8%戻しの次のメドは76.4%戻し=81.80円あたりになるものと考えられます。

コラム執筆:

田嶋 智太郎

経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役