日銀がようやく政策金利を上げました。0.25%から0.50%へ。0.25%の利上げです。ちょうど一週間前のつぶやきで書いたように、私は日本の短期金利は低すぎたと考えているので、これは当然の流れだと思います。
しかし不思議に思うのは、どうして利上げに対して先月あれほどの抵抗が政治家などからあったのか、と云うことです。メディアに於いても、先月のみならず今月も、一般に「利上げは国民の敵」と云う風潮が強い気がします。果たしてこれは正しいでしょうか?日本は預金大国です。これは個人だけでなく、企業も内部留保を多く持ち、資金借り入れ需要が少ないことで有名な国です。要は借金に対して払う金利よりも、預金などに払われる金利、即ち銀行から貰えるお金の方が多いように思われ、短期金利上昇は企業活動に悪い影響をあまり与えない一方で、個人消費に対してはいい刺激になる訳で、金利を上げることは反対されるべきことではないと思えるのです。
普通預金の総量がザックリ300兆円として、0.25%の利上げがそのまま反映されれば、それだけで7500億円になります(税前)。銀行が反対するなら分かります。しかし世論の雰囲気で反対されるのは不思議です。それだけ銀行の影響力が強いと云うことでしょうか?或いは一般論として、「金利を上げると経済や株価に悪い影響を与える」と思われている、少なくとも政治の世界などでは主張されているようにも聞こえます。本当でしょうか?日本は金利を下げ続け、終いに世界史上初のゼロ金利にまでしましたが、その過程の中で景気は持ち直し、株価は上昇したでしょうか?そんなことはありません。日本は金利感応度の極めて低い国なのです。金利を下げても株価は下がった訳ですから、金利を上げたら株価は下がると云うのは変です。世間に流通している金融市場に関する主張や説明は、うっかり鵜呑みにすると間違っていることがよくあります。しっかりと落ち着いて理屈を考えることが重要だと思います。