私はかつて米系の企業で働いていました。そんな経緯から、外資系企業で働く際の心得のようなものを聞かれました。さてと。日本のようなホモジニアスな環境ではないので、各人の経歴・背景などから、「あいつはいずれ仕事ができるようになるに違いない」とは中々思って貰えず、やはり結果を出さなくてはいけないとか、色々考えたのですが、久し振りにそんなことを思案しているうちに、かつて思いついたとっておきの「心得」を思い出しました。

米系投資銀行で働いた経験から云うと、日本人は「ウォッチ・ミー」と思いながら黙々と働く傾向があり、アメリカ人は「スピーク・アップ!」と云って、「云わなきゃ分かんないよ」と思う傾向があるように思われます。そしてこの溝が、場合によっては段々と深く広くなっていき、終いに「ジョージの野郎は日本のことは何も分かっていない。ふざけるんじゃない!」等と悶々と思って、コミュニケーションもすれ違うようになり、事態が悪化していくことがあります。

こう云う時の為に、私が思いついた妙案をひとつ。それはジョージを田中とか鈴木に替えることです(全国の田中さん、鈴木さん、ごめんなさい!)。単に名前を替えてしまうのです。ジョージに頭に来たら、「全く田中は分かってないんだから」とか、「また鈴木かよ」と呟くのです。そう云ってみると、実はジョージの問題が、アメリカ人であるからではなく、よくある個性の範囲内であることが実感できます。

国の違いよりも、人の違いの方が大きいことはよくあることです。こうすると民族的わだかまりもなくなり、冷静に判断・行動できると思うのです。しかしこれは、実は私は実践していません。そのような環境から離れたあとに、「こうしておけば良かった」と思いついたものです。
無責任と云えば無責任な提案ですが、きっとうまく作用するのではないかと思っています。如何でしょうか?