先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数と香港ハンセン指数は揃って反発となりました。先週は清明節の連休で中国本土では4月3日(月)~4月4日(火)、香港は4月4日(火)が休場となり、中国本土株は3営業日の取引となりました。上海総合指数ですが、連休明けから非常に強い推移となりました。これは、中国政府が河北省に新たな経済特区「雄安新区」を建設すると発表したためで、関連銘柄が買われたことが背景にあります。雄安新区は深セン経済特区や上海浦東新区に続く国家的な特区であり非常に高い注目を集めています。

この「雄安新区」効果は結局週末まで続き、上海総合指数は先々週末の上昇を含め4連騰となりました。ちなみに週末7日(金)には米国がシリアの空軍基地をミサイルで攻撃したニュースがありましたが、中国本土株には、インパクトは少なく、むしろ原油価格が上昇したことから石油株が買われています。結局、上海総合指数は前週末比で+2.0%の3286.616ポイントで引けており、終値ベースでは2016年1月以来の高値を更新しています。チャート的にも100日移動平均線や200日移動平均線を支持線としながらの綺麗な上昇ラインを描いており、市場に大きなショックを与えるニュースなどが出てこなければ、堅調な株価推移の継続が期待できるところと思います。

一方、香港市場ですが、こちらは4営業日の取引となりました。こちらも週初の4月3日(月)は「雄安新区」のニュースが好感されて建設株などの関連株が主導して上昇からのスタートとなりました。休み明けの4月5日(水)も、トランプ米大統領と習近平国家主席との初めての首脳会談を週後半に控え、様子見基調ではありましたが、「雄安新区」効果で中国本土株が上昇したことを背景に関連銘柄が上昇し、指数を牽引。ただし、4月6日(木)は米国のFOMC議事録で、8000億ドルから4兆5000億ドルまで膨らんだFRBのバランスシートの縮小を年内にも開始する可能性があるとの議論があったことから、リスクオフムードとなり反落。さらに4月7日(金)は米国がシリアの空軍基地をミサイルで攻撃したニュースで一時株価は急落しました。ただ、その後、ロシアへ事前に通告していたことなどが伝わり、深刻な事態には発展しない可能性が高いとの思惑から、終盤に急速に値を戻しました。結局、香港ハンセン指数は前週末比で+0.6%の24267.30ポイントで引けています。

今週発表予定の中国の経済指標ですが、3月のM2(前年比)と3月の人民元の新規貸出額、消費者物価指数、輸出、輸入がそれぞれ発表される予定です。これらの数字で堅調な数字が出てきた場合、株価は更に一段高が期待できると思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)