先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数は続伸、創業板指数と香港ハンセン指数は反発となりました。上海総合指数ですが、週初の3月20日(月)から強い基調でした。17年第1四半期の利益が50%増になるとの見通しを発表した石炭大手の神華能源(01088)など、好業績が期待出来る銘柄が上昇を牽引。石炭株、エネルギー株が全体的に強い動きとなりました。21日(火)も人民元がドルに対して上昇して安定した値動きとなっていることや、インフラ株が堅調な動きとなり続伸。

22日(水)は中国人民銀行(中央銀行)が銀行に対し、貸し出しの与信について窓口指導を強化する指示を出したことが市場心理を悪化させて反落。中国人民銀行総裁も段階的な「レバレッジ解消」を継続すると発言していることから、銀行株や保険株などの金融株が大幅安となり株価を引き下げました。23日(木)も前場の終盤に上海B株が急落した影響を受けて続落。しかし、24日(金)はアジアインフラ投資銀行(AIIB)に13カ国が新たに加わったことが好感され、中国政府が推し進める一帯一路構想が加速するのではないかとの思惑が拡がり、インフラ関連を中心に大幅上昇。上海総合指数は4ヶ月ぶりの高値で引けています。

一方、香港株ですが、米国のFOMCで年間利上げ見通しが3回に据え置かれたことで、4回前後の市場予想からの巻き戻しが起こってドル安となり、これが香港株にプラスとなって、週の前半は大きく上昇しました。しかし、週後半は米国株の下落や決算が予想よりも弱い数字となった中国移動(00941)などの大型株が売られ、軟調な展開に。もっとも、中国本土株が前述のように堅調だったことから底値も硬く、全体としては上昇基調を維持しています。

今週も上海総合指数が好調な基調を維持できるかに注目できると思います。なお、今週発表予定の中国の経済指標ですが、3月31日に3月の中国公式製造業景況感指数<市場平均予想51.7、2月実績51.6>と中国公式サービス業景況感指数<市場平均予想51.3、2月実績51.7>が発表予定となっています。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)