先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は揃って反落となりました。上海総合指数は週初9月26日(月)に大幅続落からスタート。国慶節の長期連休を前に売買が手控えられる中で、世界的な株価下落ムードが影響した他、中国人民銀行が公開市場操作を通じて市場から2,450億元を吸収したことが嫌気されました。27日(火)は小安くスタートしたのですが、同日場中に行われた米国の大統領選挙のテレビ討論会で、クリントン候補優勢と伝わり、トランプ大統領就任への懸念が後退し、世界的な株高となる中で、上海総合指数も終盤にかけて株価は上昇に転じました。
その後は週末にかけて非常に緩やかな上昇となりました。28日(水)は中国人民銀行が公開市場操作で連休前にもかかわらず資金を吸収したことが嫌気され、金融株を中心に反落となったものの、29日(木)は石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受けて原油価格が急騰したことから石油関連株が買われて反発。30日(金)もこの日に発表された9月のCaixin製造業購買担当者景気指数が50.1となり、3ヶ月連続で景況感の境目となる50を超えたことで市場に安心感が生まれて続伸。もっとも、国慶節の連休前ということもあり、売買は手控えられ、上値も限られました。結局上海総合指数は前週末比で1.0%の下落となりました。
香港ハンセン指数も国慶節の連休を前に中国本土からの資金流入が減少。また世界的な株価下落ムードが相場の重となり軟調なスタートとなりました。27日(火)は、米国の大統領選挙のテレビ討論会でクリントン候補優勢と伝わり反発。さらに29日(木)は原油価格上昇によって石油株主導で上昇。ところが30日(金)は急反落。ドイツ銀行の経営不安に伴う欧州発の金融不安への懸念が台頭し、HSBC(00005)や中国工商銀行(01398)など、金融株を中心に売られました。香港ハンセン指数は1.6%の下落となっています。
今週ですが、中国本土市場は国慶節の連休で休場となります。一方、香港市場は反発からのスタートとなりそうです。先週末に米国司法省からドイツ銀行に対する課徴金(サブプライム問題時の住宅抵当証券に対する不当取引に対するもの)が当初の140億ドルより54億ドルで減額合意か、との報道によってドイツ銀行の経営不安懸念が後退しているためです。ただ、国慶節の連休で中国本土からの資金流入も限られることから上値も限られると思われます。中国の経済指標では10月1日(土)に9月の中国公式製造業景況感指数が50.4と発表されています<市場平均予想50.5、8月実績50.4>。また、10月5日(水)に9月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数が発表となる予定です<8月実績52.1>。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)