浅間山が噴火したとのことですが、どうもあの山の噴火は穏やかな印象があります。今朝の中継を見ても荒々しさを感じませんでしたが、そもそも穏やかな印象は立原道造の詩が心に刻まれているからかも知れません。「ささやかな地異はそのかたみに 灰をふらしたこの村にひとしきり 灰はかなしい追憶のやうに音立てて 樹木の梢に家々の屋根に降りしきつた」−『はじめてのものに』という有名なソネットの一部ですが、ここで表されている浅間山の灰は、まるでひっそりと降りしきる雪のようです。一方で熊本は火の国、これは阿蘇山があるからでしょうが、長野や群馬はどうみても火の国という感じではありません。しかし阿蘇山と浅間山で、火山としてどれだけ違いがあるでしょうか?言葉によって一度植え付けられたイメージは強烈で、違う感じ方を中々許さないということでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。