世界の基軸通貨はドルです。「どの通貨が基軸通貨になるか」というのは、難しいようで簡単な問題です。よく「円を第2の基軸通貨にしたい」というような発言を(少なくとも以前は)聞きましたが、基軸通貨はあくまでもデファクトです。即ち、世界でもっとも広範かつ大量に使われる通貨が基軸通貨になる、ただそれだけのことです。その意味で通貨と言語は、国際性に関しては同じ構造をしていると言えるでしょう。
では基軸通貨となるとどんなメリットがあるでしょうか?これは私の個人的な論ですが、基軸通貨は「とても儲かる」と思います。通貨(紙幣)は、財務省(もしくは中央銀行)が発行する借用証書です。即ち、一旦発行され流通した紙幣は、財務省に戻ってきて再提示されると、国はお金を(借金を)提示者に対して返さなければいけません。基軸通貨は色々な決済に使われますが、その一つがブラックな世界での決済です。麻薬取引、武器の密輸、等々。映画で見る限り、こういった物の決済には、トランクに入った使用済みドル紙幣を目方で量る(計る?)のが相場です。一旦このような決済に使われ始めたドル紙幣は、闇の世界を縷々点々とし、二度と陽の目を見ることはありません。即ち、国家権力から隠れて、(ロンダリングに成功しない限り、)財務省には再提示されない訳です。それは即ち、国の借用証書が消失し、国の借金が自動的に減少することを意味します。いわゆる「刷り得」になる訳です。何とおいしい商売でしょう。そしてこの恩恵を被っているのがアメリカです。見方を考えると、中々面白いですね。

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