今朝、私にとっての永遠のヒーロー・JM(ジョン・メリウェザー)と朝御飯を食べながら話をしました。JMは相変わらず健康そうで、尽きる事のない好奇心で矢継ぎ早に様々な質問を投げてきました。
日本経済の状態、構造変化の進捗、中央と地方の格差、JASDAQ市場などのヴァリエーション、外国人投資家の影響、云々。それぞれについて、私はいつもつぶやきにも書いているように答えたのですが、概ねJMも同意し、マーケットに対しては一般に楽観的でした。では何が今の日本株市場にとってのリスクか、という議論になったのですが、「景気と市場の回復により慢心し、構造改革の手綱を緩めることである」という結論に、お互いに達しました。そういった意味では、抵抗勢力やマス・メディアが、「景気は一向に回復の兆しがない、構造改革は進んでいない」という論調を張ってくれる方が、却っていいかも知れません。ところでJMのファンドは10数億ドルの規模にまで達し、かつての勢いを取り戻しつつあるようです。JMはしかし、栄光の時代も、苦難の時代も、そして今復活してきた時代も、その態度も好奇心もなんら変わらないのは、唯々感嘆するのみです。やはりJMは私にとっては永遠のヒーローです。そんなJMは、今日もミーティングの最後の10分は、私と私の回りの人間の様子や健康状態を聞くことに費やすことを忘れないのでした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。