先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は反発、深セン総合指数、創業板指数は続伸となりました。先週の中国本土市場は急反発からのスタート。4月11日(月)は原油価格の上昇に加え、この日発表された中国の3月の生産者物価指数(PPI)が前年同月比で-4.3%と、2月の-4.9%や市場平均予想であった-4.6%を上回ったことが好感されました。3月の消費者物価指数(CPI)も前年同月比で2.3%上昇と市場予想の2.4%を下回ったこともプラスでした。12日(火)は李克強首相が中国経済には下振れ圧力があり、成長を確実なものとするために供給サイドの改革を促すと述べたことが材料となり、小幅に調整したものの、13日(水)は急反発で上海総合指数は3か月ぶりの高値となりました。この日に発表された中国の3月の輸出が前年同期比+11.5%増と2月の-25.4%や市場平均予想である+10.0%を上回って好調だったことが好感されました。
14日(木)も欧米の株式市場や商品価格が堅調に推移していることで中国経済に楽観的なムードが広がり、小幅続伸。15日(金)は小反落になったものの、ムードは悪くありません。15日(金)に発表となった中国の3月の人民元新規融資額は1兆3,700億元となり、市場平均予想の1兆1,000億元や2月の7,266億元を上回った他、3月の鉱工業生産も6.8%増と市場平均予想の5.9%を、小売売上高も10.5%増と市場平均予想の10.4%増を、都市部固定資産投資も10.7%増と市場平均予想の10.4%増をそれぞれ上回り、総じて中国経済の指標が良い方向に向かっているためです。株価がこの日反落したのは、中国の経済指標の改善から追加景気刺激策が控えられるとの観測によるものです。
一方で香港株は11日(月)と12日(火)は方向感がなく売買代金は伸びない形ながらも中国本土株の上昇が支えとなる形で小幅続伸。そして13日(水)は出来高を伴っての大幅続伸となりました。材料としては前述にあるように、中国の3月の輸出が好調だったことに加え、中国本土株や米国株の上昇があったためです。14日(木)も7日続伸で年初来高値を更新。さすがに15日(金)は利益確定と中国本土株の反落に押されて反落となりましたが、相場は強い基調を保ったままと思います。
今週の中国株ですが、ドーハ産油国会合で増産凍結の合意に至らなかったことや、先週の大幅上昇を踏まえ、さすがに一旦反落基調となりそうです。しかしながら、ここのところの経済指標をみると、中国政府が2015年後半から出してきている各種経済対策がようやく時間をおいて結果となって出てきている様子です。上海総合指数も緩やかに上昇しており、資源価格や欧米の株式市場で大きな変化がなければ、一旦の調整のあと、再び緩やかな回復の継続が期待できるところとも思います。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)