先週の中国株ですが、上海総合指数、深セン総合指数は続伸、創業板指数は反落、香港ハンセン指数は反発となりました。中国本土株ですが、28日(月)は上値の重いスタートに。上海や北京が打ち出した不動産規制が一級都市全体に広がることが懸念され不動産株が軟調な動きとなりました。29日(火)も銀行株などの大型株が主導して続落。利食い売りが幅広いセクターで見られました。しかし、30日(水)には急騰し上海総合指数は3,000ポイントを超えます。交通銀行や中国石化の決算が予想を上回った他、人民元高が進んだこと、FRB議長の発言で米国の利上げペースが緩やかとなる見通しとなったことから、中国からの資本流出懸念が後退しました。

31日(木)も上値が重い展開となる中、小幅続伸で上海総合指数は終値で3,000ポイントをキープ。4月1日(金)は反落してスタートし、日経平均を含めたアジア市場の株価下落に巻き込まれる形で一時2,956ポイントまで下落しましたが、後半から上昇に転じ、上海総合指数は終値では3日続伸となりました。ちなみにこの日は3月の中国公式製造業景況感指数が50.2と発表され、市場平均予想の49.4や前月の49.0を上回り、2015年7月以来の50ポイント回復となりました。また、財新メディアの製造業景況感指数も49.7と、こちらも市場平均予想の48.3や前月の48.0を上回りました。これらのことも株価に好影響を与えたものとみられます。

一方、香港株は28日(月)が休場となり4営業日の取引となりましたが、連休明けの29日(火)は小反発からのスタートに。また、30日(水)は米国FRBのイエレン議長が早期の利上げは慎重に行うべきというコメントを行ったことで、米国の早期利上げ観測が後退し大幅高に。ただ、31日(木)は中国本土系銀行の決算が伸び悩んだことなどから反落。4月1日(金)も、4月4日(月)の香港市場が清明節の祝日で休場になることや、同日夜に米国の雇用統計を控えていること、また、日本株が急落したこと等を受けて大幅続落となりました。しかし、週間の香港ハンセン指数は前週末比でプラスをキープして週を終えています。

今週は4月6日(水)に財新メディアの3月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数<2月実績51.2>が発表される予定です。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)