先週の中国株ですが、上海総合指数、深セン総合指数、創業板指数は続伸、香港ハンセン指数は反落となりました。中国本土株は21日(月)から好調発進で、上海総合指数は7日続伸でスタートとなりました。政府系証券金融会社の中国証券金融公司が21日から証券会社に信用取引の決済資金を提供する業務を再開したことが好感されました。また、付加価値税の減税にかかる詳細が近く発表されるとの報道も株価の支援材料になりました。
ただ、22日(火)は、さすがに7日続伸のあとだけに利食い圧力が大きくなって反落。中央銀行の周小川総裁が株式市場への投資の奨励を行ったとの報道がメディアの曲解であったとの報道があったこともマイナス材料でした。23日(水)は小反発。中国証券金融公司の決済資金提供再開によって、特に大きな値動きの期待できる中小型株に買いが集まり、創業板指数が力強く上昇して、相場全体の牽引材料となりました。24日(木)は商品価格の下落で中国石油などの商品価格が下落して反落。25日(金)は香港市場や欧米市場が同日は休場となることからか、出来高は大きく減少したものの終盤に巻き返して反発となっています。
香港市場は25日(金)がグッドフライデーにつき休場となり、4営業日の取引きとなりました。週初は資源価格の下落によって資源株が下落したものの、中国本土株が堅調であったことに支えられて好調なスタートとなりました。しかし、その後は25日(金)のグッドフライデー、28日(月)のイースターマンデーと長期連休を控えていることから様子見ムードが広がり、持ち高整理の動きが強まって軟調な推移となりました。また、香港企業の決算発表の結果が奮わない点やボーアオ・アジアフォーラムの結果を見極めたいとする動きもマイナス材料でした。
先週も指摘しましたが、チャート的には中国本土株・香港株とも長期上昇トレンドに戻ったわけではないのですが、短期的な上昇トレンドが示唆されているところです。2008年3~6月のような短期的な上昇トレンドが続くのではないかと予想します。しかし、株価が上昇することによって、米国のFRBが6月に再び利上げを実施するような事態となれば、中国株は大きく影響をうけ、短期的な株価トレンドも下落転換する可能性がある点は頭に入れておきたいところです。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)