先週の中国株ですが、中国本土市場は旧正月明けの取引再開となり、上海総合指数、深セン総合指数、創業板指数は続伸、香港ハンセン指数は反発となりました。連休明けとなった中国本土市場ですが、休み明け初日の15日(月)は、旧正月の連休中に世界的に株価が大きく下落していたことを受けて、大幅下落からのスタートとなりました。しかし、旧正月期間の消費が堅調だったことを受けて消費関連株に買い戻しが入った他、金価格上昇で金鉱株が上昇するなどして、株価は持ち直し、前日比ではマイナスだったものの大きな陽線をつけました。16日(火)と17日(水)も、その堅調な流れを受け継ぎ、上海総合指数は3週間ぶりの高値を回復。16日(火)に発表された1月の人民元新規融資額が単月ベースで過去最大だったことに加え、李克強首相が経済の悪化に対応して積極的な対応を取ると述べたことから、中国当局が包括的な景気刺激策を発表するとの期待感が高まったことが背景にあります。また南シナ海でのベトナムなどとの緊張が高まる中、防衛関連株も買われました。
2月18日(木)も朝方は1月の消費者物価指数が市場平均予想の1.9%よりも弱い、1.8%となったことを受けて金融緩和への期待感が膨らみ、前場は強い動きが継続となったものの、終盤に利食い売りに押される形で前日比でマイナスに転落。19日(金)も特に大きな材料がない中で方向感に乏しい展開となり、小幅な値動きとなりました。上海総合指数の出来高推移を見ると、週前半の上昇期間は出来高を増しての上昇となっており、週後半の反落は出来高を縮小させての反落となっていますので、今週にも出来高を増しての力強い上昇が起きれば、チャートからは一旦の底打ちが伝わってくることになりますので、今週は値動き以上に出来高に注目です。
一方、香港市場も中国本土株の上昇を背景に週前半は大きく反発。テンセント(00700)やHSBC(00005)といった大型株が上昇した他、カジノ関連株や金鉱株も上昇。また、原油価格の反発から中国石油天然気(00857)といった石油関連株も上昇しました。その他、前述にもありますが1月の中国の人民元新規融資額が単月ベースで過去最大だったことから、本土系の不動産株、金融株が買われました。17日(水)は利食い売りに押されて反落となったものの、世界的な株高や原油価格の反発を受けて18日(木)は反発。その反動から19日(金)は反落して週を終えています。世界的にもそうですが、先週は2016年の中では最大の上昇週と言って良く、香港ハンセン指数は5.2%の上昇となっています。もっとも、長期チャートを見ると50日移動平均線も200日移動平均線も下を向いて推移しており、仮に今週、香港ハンセン指数が2月1日につけた直近高値を出来高を増して上抜けば、短期的な上昇トレンドに入ったとみることができますが、すぐに50日移動平均線前後ではじき返されて、下落トレンドに戻ってしまう可能性も十分考えられるところで、引き続き長期下落トレンド継続への警戒感を高めた方がよいかと思うところです。
コラム執筆:戸松信博