先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は、先々週から引き続き、そろって続落となりました。中国本土株ですが1月11日(月)から大幅反落で厳しいスタートとなりました。中国からの資金流出懸念や人民元の先安感に伴い、オフショア(中国国外で取り引きされる)人民元の翌日物HIBOR(香港銀行間取引金利)が13.0%と、先々週末の4.2%から急騰したことや、先週に売却が解禁される株式が362億元に上るとの報道が嫌気されました。翌12日(火)は小反発となったものの、値頃感からの買いと、当局による買い支えによる上昇と見られ、大きく方向感が出るような上昇ではありませんでした。出来高も前日比で減少しています。実際のところ、13日(水)は大幅反落となり、上海総合指数は2015年8月以来の3000ポイントを割れとなりました。14日(木)は小反発となりましたが、15日(金)は再び大幅反落に。

短期的な上げ下げが続く中で、上昇しても前回高値を上回らず、下落時は直近安値を下回り続けるという、下落相場特有の値動きが続いています。中国株がこのような下落を続けている要因の1つに追証拡大への懸念があります。個人投資家や上場企業の大株主の一部は、保有している証券を担保に入れて、信用取引を行ったり、金融機関からお金を借りています。株価が下落することにより、担保株式の評価が下がると金融機関は追加担保を要求します。一部の投資家は、保有株式を売却して担保に充てようとしますので、これが株価下落の要因となります。さらに中国政府の大株主による株式売却の規制が厳しくなる前に売却が急がれるのではないかとの懸念もあります。ちなみに、15日(金)には一部の銀行が小型株を担保とする信用取引のサービス提供をやめたとの報道もあり、株価下落の要因の1つとなりました。

香港株も中国本土株と同じような値動きになっています。1月11日(月)は大幅下落となり、2013年6月以来の2万ポイントを割れとなりました。1月13日(水)には香港金融管理局(HKMA)がオフショア人民元の流動性逼迫を抑えるため、銀行に流動性を供給したとの報道から一時的に大きく反発したものの、中国本土株の下落もあってすぐに売り込まれてしまいました。中国の景気減速や株安懸念の他に、米国の利上げ懸念、香港ドルが対米ドルで2011年以来の安値となるなど、香港からの資金流出懸念も株価の足を引っ張りました。

今週も引き続き、中国の景気減速や株安懸念、資金流出懸念で軟調な相場展開が予想されるところですが、中国政府が新たな株価対策や景気刺激策を発表したり、日本や米国の金融政策に変更があれば、状況が変わってきますので注目したいところです。なお、今週の中国の経済指標ですが、1月19日(火)に12月の鉱工業生産、12月の小売売上高、2015年第4四半期のGDPが発表される予定です。

コラム執筆:戸松信博