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さて、2015年最終週となった先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、香港ハンセン指数は反落、創業板指数は続落と総じて弱い基調となりました。先週は週初の28日(月)が大幅反落でスタート。理由は中国国家外貨管理局が個人の外貨建ての現金決済に関して2016年1月1日(金)から新ルールを適用すると発表したことです。新ルール発効前に外貨が市場から流出するとの懸念が台頭して外貨建てのB株が急落し、相場の下落要因となりました。これは当局が資金流出を抑えるために新ルールの適用(規制強化)を決定したとの見解に基づくものです。

ただし、28日(月)夜に中国国家外貨管理局は、新ルールは個人外貨業務の効率向上に繋がり、個人の外貨運用方針に影響を与えるわけではないと説明し、株式市場の下落要因にはならないことを示唆。結果として29日(火)には、本土株は反発しています。もっとも、その後も週末にかけて値動きの重い展開が続きました。金融緩和や景気刺激策、国有企業改革などへの期待感は引き続き根強いものの、2016年1月に大株主の株式売却禁止措置が終了する予定であることや、新規株式公開(IPO)が認可制から登録制を移行することで株式の供給が膨らむとの懸念から、2016年に入ると売り圧力が高くなるとの観測が強まりました。結果として、手じまい売りが膨らみ、相場の重しとなりました。また、人民元の為替相場が12月に入り、継続的に元安方向に動いていることも不安視されました。もちろん、元安は中国の輸出にはプラスなのですが、これが引き金となって世界的な株価下落に繋がるのではないかとの懸念が少しずつ広がっている様子です。

香港株も中国本土株と同じような推移となりました。週初は中国本土株下落の影響を受けて連れ安となり、その後も軟調な値動きに終始しました。原油価格の下落が続き、中国石油天然気(00857)などのエネルギー株が軟調だった他、不良債権拡大への懸念から中国工商銀行(01398)などの中国の銀行株が下げ、相場の下落要因となりました。なお、1月1日(金)に発表された12月の中国公式製造業景況感指数は49.7と、11月実績の49.6は上回ったものの、市場平均予想の49.8は下回りました。ただ、非製造業景況感指数は54.4と、11月実績の53.6から更に改善し、2014年8月以来の高水準となっています。今週は財新メディアによる12月の中国製造業景況感指数<市場平均予想48.9、11月実績48.6>と中国非製造業景況感指数<11月実績51.2>、中国の12月の消費者物価指数<市場平均予想+1.7%、11月実績+1.5%>、新規人民元融資額<市場平均予想7,000億元、11月実績7,089億元>などが発表される予定です。