先週の中国株ですが、上海総合指数、深セン総合指数、創業板指数は続伸、香港ハンセン指数は反落となりました。先週の中国本土株は景気刺激策への期待から大幅高のスタートになりました。これは8月8日(土)に発表された中国の7月の輸出が前年同月比で-8.3%となり、6月実績の+2.8%、市場平均予想の-1.5%を大幅に下回る結果となったためです。これによって中国政府が景気刺激策を発表するのではないかとの期待が高まりました。また、中国の内閣にあたる国務院が国有企業改革案を承認したとの報道も追い風となりました。

そしてご周知のように、11日(火)に中国人民銀行は人民元の米ドルに対する切り下げを発表しました。ちなみに人民元切り下げの発表を受けた11日(火)の中国本土市場は素材株や輸出関連株は上昇したものの、莫大なドル建て負債を抱える航空株や金利上昇が株価上昇の原動力となる金融株が全般的に下落し、全体としては概ね横ばいとなりました。12日(水)も人民元の切り下げが行われましたが、東南アジアの通貨下落などが悪材料視されて株式市場は下落しています。ただ、13日(木)に中国人民銀行が「人民元安が進行すると予想する根拠はない」と、人民元安に歯止めを掛けるコメントを発表すると株価は反発。14日(金)も小幅ながら続伸となり、上海総合指数は一時、4000ポイントの節目を回復しています。

一方、香港株は週初から軟調な展開となりました。まず、中国の7月の輸出の落ち込みが香港では中国経済失速懸念につながり、10日(月)は反落スタートとなりました。さらに人民元切り下げが、中国からの資本流出に繋がるかもしれないとの懸念につながったことや、7月の中国の鉱工業生産(前年同月比)が+6.0%と、市場平均予想の+6.6%や6月実績の+6.8%を大幅に下回ったことから中国経済失速懸念が拡大し、12日(水)は大幅続落となりました。人民元安に歯止めを掛けるコメントが発表されて13日(木)は反発となったものの、14日(金)は早くも反落となり、週を通して弱い相場展開となっています。

今週に関しても人民元の為替レートなどについて、中国政府が何を発表するかが最重要ファクターになると思います。人民元は長らく実質的に米ドルにペッグしてきました。しかし米ドルが昨年後半から大きく上昇してきたので、人民元も米ドル以外の通貨と比較して大きく上昇し、結果的に中国の輸出競争力低下に繋がってきました。8月10日(月)の終値から8月14日(金)の終値まで、人民元は米ドルに対し約2.9%切り下がったことになりますが、輸出や景気の回復を狙っているのだとすれば、切り下げ幅は不十分です。今後、更なる切り下げも警戒されるだけに、中国当局の発表に要注目です。

コラム執筆:戸松信博

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