先週の中国株ですが、上海総合指数、深セン総合指数、創業板指数は反発、香港ハンセン指数は続落となりました。中国本土株ですが、財経・マークイットの発表した7月の中国製造業景況感指数(PMI)確報値が47.8(50未満は業況の縮小を意味する)と、6月実績の49.4や速報値の48.2を大きく下回り、2013年7月以来の低水準に落ち込んだことや、中国政府公式の7月の中国製造業景況感指数(PMI)が50.0と、6月の50.2、市場平均予想の50.1を共に下回ったことから中国経済の失速懸念が台頭して、続落してのスタートとなりました。

8月3日(月)遅くに中国当局が空売りの規制強化を発表すると4日(火)は反発。しかし、5日(水)の午前中に財経・マークイットの発表した7月の中国サービス業景況感指数(PMI)速報値が53.9と、11ヶ月ぶりの高水準になったにもかかわらず、戻り売り圧力に押されて5日(水)は反落し、中国当局が7日(金)にも企業の新株発行の認可を再開するとの報道から需給懸念が台頭して6日(木)も続落となりました。7日(金)は政府系の証券金融会社が株価対策のために2兆円の追加資金調達をするといった報道や、現在の株価下落を好機と見て、国内外のファンドが投資を検討しているとの報道から全面高となりました。

香港株も中国本土株に追随する値動きとなりましたが、米国の9月利上げ開始機運が高まり、米国株が調整に入った影響を受け、本土株よりも軟調気味の株価推移となりました。中国本土株もそうですが香港株も出来高は低調です。香港株は中国本土株の影響も受けますが、米国利上げ懸念が出ている上、ニューヨークダウが下落基調となりつつある点にも注意が必要です。ただ、ハンセン指数は続落となりましたが、香港に上場する中国企業の値動きを示す香港H株指数は中国本土株の影響を大きく受けて先週は反発しています。

今週は8月10日(月)に7月の中国新規人民元建て融資額、8月12日(水)に7月の中国小売売上高(前年同月比)、7月の鉱工業生産(前年同月比)がそれぞれ発表されます。ここのところ中国の経済指標に株価は大きく反応しており、要注目です。

コラム執筆:戸松信博