先週の中国株は一転して急落となり、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は揃って反落となりました。特に中国本土株は厳しい下落となっています。中国本土株は週初から、これまでの上昇に対する警戒感が高まり軟調な推移となり、週末にかけて大きく下落していきました。先週の急落について、中国本土の市況解説を見ると、多くのIPOが予定されていることに対する需給悪化懸念や中国証券監督管理委員会(CSRC)が信用取引に関する違法取引の取り締まりを強化していることが懸念されたものという内容が多いですが、これらは以前にも出ていた材料なので、特別な材料が出たからというよりは、高値警戒感から売られたという方が実態に近いのではないかと思います。

以前にもお伝えしましたが、中国政府系の中国社会科学院金融研究所と社会科学文献出版社が2014年に発表した金融白書の中では、2015年の上海総合指数は5,000ポイントに到達する可能性があるとされていました。ところが6月で既に5,000ポイントを超えてきてしまったので、さすがに高値警戒感が出てくるところと思います。もっとも、上海総合指数で言えば、たしかに週間で13.3%という大幅下落となったものの、50日移動平均線を少し下回ったところまで調整したところで、健全な調整の範囲内とも言えます。ただ、信用取引の精算売りが続く可能性もあり、5月上旬に調整した際につけた4100ポイント前後、あるいは100日移動平均線(6月19日終値時点で3994ポイント前後)までの調整はあるかもしれません。

香港株も中国本土株と同じような値動きとなりましたが、もともと本土株ほどは上昇していなかっただけに、週間の下落幅も比較的小幅で香港ハンセン指数は1.9%の下落、香港H株指数は5.7%の下落となっています。ただ、上海総合指数が10%以上下落したことにより、中国株は調整局面に入った考える市場関係者が多くなっている印象で、今週も中国本土株の調整が懸念材料となる重たい値動きが続きそうな見通しです。なお、今週は6月23日(火)に6月の中国製造業景況感指数(速報値)が発表される予定です。

コラム執筆:戸松信博