飢え死にしそうなタコが自分の足を食って満足する。しかし気がつくと時既に遅く死んでしまう。財務省が検討している個人向け国債が満期10年で変動金利、しかも利子を非課税にして個人による国債保有を促すというニュースを聞いて、そんなタコの絵が頭に浮かびました。政府は何を考えているのでしょうか。
1.経済の血であるお金が回らないのが我が国の最大の問題であるのに、国の  借金(国債)によってその血を吸い上げようというのは変です。非課税に  までして魅力を高め、かつ10年間も個人のお金を止めてしまうのは理解  できません。
2.財政赤字を再建していかなくてはならない時に、敢えて固定金利ではなく  変動金利で借金をする。折角の歴史的な低金利を利用しないのも変ですし、  財政が更に悪化してインフレが起きたりすると更に利子負担が増加すると  いう不思議な案です。
3.財務省は個人の国債保有は日本は低いと主張しますが、郵便貯金と国債と  どこが違うのでしょう?アメリカでは連邦銀行に個人が預金するなんて聞  いたことありません。日本における郵便貯金なども併せた個人による国の  負債の保有は、先進国中で断トツのトップです。国債保有を促す理由が怪  しいと思います。
4.そもそも国民による国の負債の大量保有というのは正にタコ足です。Aさ  んがBさんから100万円借金をして、BさんはAさんに100万円の借  用証書(A債券)を発行する。しかしAさんはBさんからいずれ貰うつも  りのお金でこのA債券の利子と償還元本を返す予定です。この場合Aさん  の金融資産は本当に100万円と言えるでしょうか?
こんなバカな夢を見るのはもうやめたいです。