台風6号は随分多くの雨を降らしましたが、「1日で○○ミリ」とか「1時間で○○ミリ」という表現は分かりにくいという意見があります。確かにあまり実感が沸きません。今回の台風では、箱根では1日313ミリ、1時間62ミリという「豪雨」だったそうですが、やはりピンと来ません。フランスでは1平米当たりの降雨量で表現するそうです。1時間で62ミリの雨というのは、1時間に1平米の場所に62リットル分の水が降ると言います。一升瓶で34本強の水です。そう言われると確かに凄そうです。年間降雨量も東京は約1500ミリですが、これも1平米当たりの表現に替えると1500リットル、1日平均にすると約4リットルとなり、雨が降らない時にどれくらい水を撒けばいいかの目安になります。防災の観点からも、なるべく実感の沸きやすい表現の方がいいかも知れませんね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。