マネックスのオフィスからは都心部が広く見渡せます。普段見慣れている風景ですが、よく考えると妙なことに、建設中の大型ビルが多数あります。数えてみると建設用の大型クレーンが見えるだけでも20機はありました。どう見ても景気低迷中の国の風景というよりは、バブル真っ最中だった頃の香港のようです。一方、病院を経営している友人に聞いた話では、来院者、特に入院者が最近めっきり減ったということです。不景気の影響が、医療の領域にまで浸食しているのでしょう。個人はお医者さんに掛かることまでも節約しているのに、都心では大企業が次々に大型ビルを建てている。この不釣り合いの理由は何でしょうか?
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。