今日からペイオフ解禁です。しかしペイオフ解禁の本質とは一体なんでしょう?かつて土地バブル華やかし頃、銀行は積極的に土地を担保にとっては融資をしました。或いは地揚げによって土地はどんどん買われていきました。あの山この畑に億単位の値段が付き、融資もしくは売却によって得られたお金の多くは、そのまま銀行に「預金」として預けられた訳です。バブルが弾け、土地の値段は下がり、銀行の資産は目減りしましたが、預金の元本額は一切目減りしませんでした。資産側と負債側が平衡を保ちながら目減りすれば「不良債権」問題は起きません。片一方だけが目減りしたので、バランスシートがバランスしなくなった。これが不良債権問題であり、その解法が預金の元本を資産の減り方に応じて払い戻そうという、いわゆる「ペイオフ」の解禁です。
家計がバブル資産を高値で売り抜けた例は、世界史的にも日本以外に例を見ません。ある意味でペイオフの解禁は、税金の投入による例外的な解法を原理・原則に戻すことであり、即ち銀行に対する債権者(預金者)のリスクを納税者に負わせないでそのまま通常の会社のように債権者に負わせることですから、必然の流れだと考えています。