米ドル買い越しが急拡大=一方で豪ドル、英ポンドは売り越しが過去最高規模

CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(非米ドル主要5通貨=円、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドルの5通貨のポジションで試算)は、10月13日時点で買い越しが40万枚以上に拡大した。これは経験的に米ドル買いの「行き過ぎ」懸念が強くなっている可能性を示している(図表1参照)。

【図表1】CFTC統計の投機筋の米ドル・ポジション(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

この米ドル買い越しの中身を見ると、対象とした5通貨のうち円以外の4通貨は軒並み大幅な売り越しだった。特に豪ドルと英ポンドの売り越しは、ほぼ過去最高規模に拡大した(図表2、3参照)。以上のことから、対豪ドル、英ポンドを中心にさらなる米ドル買い越し拡大余地は限られる段階に入ってきた可能性もありそうだ。

【図表2】CFTC統計の投機筋の豪ドル・ポジション(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作性
【図表3】CFTC統計の投機筋の英ポンド・ポジション(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

世界的長期金利上昇が米ドル買い後押しの可能性

このような米ドル買いは、9月半ば以降急拡大した。これは世界的な長期金利上昇が加速したタイミングともほぼ重なっている(図表4参照)。その意味では、世界的な長期金利上昇が米ドル買いを後押しした可能性が高かったのではないか。

【図表4】米独の10年債利回りの推移(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

世界的長期金利上昇は、10月に入ってから間もなく一巡し、先週(10月12日週)は逆に比較的大きく低下した。これまで見てきたように、世界的長期金利上昇が米ドル買いの「行き過ぎ」を後押ししたということなら、長期金利の低下は米ドル買い「行き過ぎ」を修正させる可能性も注目される。

極めて異例の円買い=ベッセントの円安是正と連携か

9月半ば以降の世界的長期金利上昇の中で、主要通貨が軒並み米ドルに対して大幅な売り越しとなったが、円のみ買い越しを維持してきたことは極めて異例と言えるだろう(図表5参照)。

【図表5】CFTC統計の投機筋の円ポジション(2005年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

円は逆に、9月に入ってから間もなくそれまでの売り越しから買い越しに転換した。一時152円まで米ドル安・円高となったものの、その後は再び159円まで米ドル高・円安に戻したが、それでも円買い越しは維持された。

このような投機筋の円ポジションは、9月にかけて日本政府に「円高になる政策」の要請を繰り返したベッセント米財務長官の動きと整合性のあるものだった。CFTC統計の投機筋のポジションは、ベッセント長官がかつて所属したヘッジファンドの取引を反映していることを考えると、やはりこの異例の円買いはベッセント長官の円安是正策と連携している可能性が高いのではないか。