「ねえねえ、今、テレビに出ている人、株式投資で億り人になったんだって!私も株式投資でおこづかいを増やしたいなー。今度、株式投資について教えて」
我が子から株式投資について聞かれた時に、どのように説明していますか?
「自分は投資経験がないため、何をどう教えたらいいかわからない」と悩んでいる親世代は多いかもしれません。また実際に投資を経験していても、小中学生に教えるのは意外と難しく感じるかもしれません。とはいえ、「今忙しいから、ショート動画やSNSなどで学んでおいて」と言うのは避けたいところです。
今回は、「親子で一緒に学ぶ」をテーマに株式投資がどうして儲かるのかについて、一緒に見ていきましょう。
株式とは、株式会社が事業に必要なお金を調達するために発行するもの
株式とは、株式会社が事業に必要なお金を調達するために発行する証券のことをいいます。株式会社は調達した資金を使って新しい商品やサービスを生み出します。
株式を買った人は、買った会社の「株主」になります。株主はさまざまな権利を持っていますが、それらは大きく2種類に分けられます。
1つは、株主総会に議案を提案したり、議案の決議に参加したりするなど、経営に参加する権利。もう1つは、配当金など経済的な利益を受ける権利です。これらの権利は、株式を多く持っている人ほど発言権が強くなり、配当金も多くもらえます。
一方で、会社の経営がうまくいかなかった場合、株主は損害を被ります。例えば、株式を買った会社が破産して消滅してしまった場合、株主にはお金は戻ってこないのが原則です。会社の経営に参加し、意見がいえるからこそ、経営がうまくいかなかったときには責任を負うということです。
証券取引所で取引できる「上場企業」の株式は、誰でも簡単に売買できます。子どもたちが名前を知っているような大企業の多くは上場企業です。
需要と供給で株価は変動する
そもそも、株価がなぜ変動するのかという仕組みを理解する必要があります。
株価は、需要と供給で変動します。株式は発行数が限られています。つまり、供給は限定されています。その株式を欲しがる投資家が増えれば、売りに出る株式が少なくなって株価は上昇します。反対に、その株式を欲しがる投資家が少なければ、売りに出る株式が多くなって株価が下落します。こうした需要と供給のバランスが取れたところで株価が決まります。
小学校高学年くらいで「需要と供給」は学びますが、難しい言葉を使わなくても、「その株式を買いたい人が多く、売りたい人が少ないと株価が上がる」「買いたい人が少なく、売りたい人が多いと株価が下がる」と説明すると、子どもは理解できるでしょう。
どうしたら株式に人気が出るの?
ここまで説明すると、子どもから「どうしたら株式に人気が出るの?」という質問が出てきます。ここは丁寧に説明しましょう。
いい商品やサービスが世に出ると欲しいと思う人が増え、売り切れたり行列ができたりして、売上が上がります。結果として、その商品やサービスを販売した会社が成長し、利益も得られるため、株主に値上がり益や配当金という形で還元されていきます。この状態になると、その会社の株式が欲しいと思う人が増えるため、株式の人気が上がって株価が上がっていく、というイメージです。
ゲームやお菓子、ファミリーレストランなど、子どもが好きな商品・サービスを例に出して説明するとより伝わりやすくなります。
イギリスの有名な経済学者、ケインズは株式投資を「美人投票」にたとえました。美人投票で誰が選ばれるかを当てたいのであれば、自分が一番美人だと思う人を選んでいてはだめ。「みんなが美人だと思う人」を選ぶ必要があるという考え方です。
それと同じで、自分が一番欲しい株式よりもみんなが欲しいと思う株式を選ぶことが大切です。
株式投資はどうして儲かるの?
株式投資で大儲けできることがあるのは、需要と供給の関係で株価の変動が大きくなり、売却益が大きくなりやすいからです。その半面、株価が大きく下がることもよくあります。
株価が上昇している銘柄があると、皆がこぞってその銘柄を欲しくなって購入するため、株価の上昇が続く傾向にあります。逆に株価が下落している銘柄の場合は、その銘柄を持ち続けると損失が大きくなると思って急いで売却する傾向にあるため、さらに下がることもあります。
株式投資はハイリスク・ハイリターンです。リターンが大きい投資ほど、リスクも大きくなるという原則は、子どもたちにもしっかり伝えておきたいですね。
中長期的には株価は上昇する可能性が高い
長期的に見ると、株価は高くなっていくことが期待できます。理由は、インフレが今後も続く見通しであることと、世界の人口拡大に伴って経済が成長していくためです。
現在の人口は83億人ですが、2058年には100億人に達すると推計されています。人口が増えれば、消費が増え、その消費を支えるために生産も増え、経済は拡大していきます。「世界人口増大→経済拡大→企業業績拡大→株価上昇」という流れで世界全体は成長していくでしょう。
日本経済だけに絞ると拡大する可能性は低いといえるかもしれませんが、日本の会社は国内だけを対象にビジネスを展開しているわけではありません。世界で活躍する会社は、今後も株価が上がっていく可能性が高いといえます。
子ども自身に投資を経験させることが大切
親が一方的に話すだけでは、知識は身に付きにくいのが実情です。やはり子ども自身に経験させることが大切です。
最近は、1株単位で買えるサービスがあります。子どものおこづかいで買える銘柄が多くあります。実際に「自分のお金」で買うことで真剣に学ぶ姿勢ができ、投資の知識が身に付きやすくなるでしょう。日々株価が上がったり下がったりするので、その会社の株価が変動する理由を自分で調べ始めるかもしれません。
投資は必ずしもリターンを得られるものではありません。お金を失うリスクもあることを踏まえると、値動きとうまく付き合う方法を考える思考にもつながっていきます。
実際に値動きを経験することで、「1つの会社だけだとお金を失うリスクがあるけど、2~3社に投資して1社が下がったときにほかの会社が上がれば、損するリスクが低くなる」といった思考にもつながっていくでしょう。身をもって分散投資を学べます。
さまざまな会社を調べていくと、将来的に成長する会社や業界が見えてくるでしょう。その情報は、子ども自身が働く年齢になったときに、就職先や働き方を選ぶ指標になります。投資も就職も、「将来成長する可能性が高い会社」を見極めるという点はほぼイコールです。
また、投資とは「未来に託すこと」でもあります。株式投資であれば、企業にお金を託すことで未来の生活が便利になり、多くの人が幸せになります。そして株価が上昇したり配当が出たりすれば、自分にも金銭的な形で返ってきます。
投資は、自分だけが儲かるためだけではなく、多くの人を幸せにできる行為だということも忘れずに伝えましょう。
