もうすぐ休刊になるFOCUSを開くと、昭和天皇と本田宗一郎が1965年と1984年にF1グランプリで優勝したホンダのレーシング・カーの前で写っている写真が載っていました。撮影されたのは1985年ということですが、当時日本の車がF1で優勝することは天皇陛下が関心を持っても不自然でないと思えるようなことだったのでしょうか?そのような夢を持った企業は強いと思います。社員が皆その夢に向かって力を合わせて行きますから。どのような「夢」がその企業にとって最良の夢かということは時代とともに変わって行くのでしょう。元F1レーサーの鈴木亜久里さんは、今ならF1で優勝することよりもアシモ(2足歩行ロボット)でヒマラヤ単独登頂を目指すことの方がホンダらしいのではないか、とどこかの雑誌で言われていましたが蓋し名言です。私もマネックスにとっての最良の夢、方向をしっかりと設定して行きたいといつも思っています。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。