中東情勢の不透明感を抜け、過度な警戒感はいったん和らぐ
先週6月19日(金)にかけて、暗号資産市場は全体的に上値の重い展開となりました。米国とイランを巡っては、MOU(覚書)や停戦協議の進展期待が伝わる一方、その後はホルムズ海峡の通航を巡る報道や、停戦維持への不透明感が再び意識され、週末にかけてリスクオフ色が強まりました。
もっとも、6月22日午前には、スイスで行われた米国・イラン協議について、一定の進展があったとの報道も出ています。停戦や海上交通の安全確保に向けた協議が継続しているとの見方から、暗号資産市場では過度な警戒感がいったん和らぎ、BTC/JPYは陽線を形成する展開となっています。
ただし、中東情勢は依然として流動的です。ホルムズ海峡を巡る報道は市場心理に影響を与えやすく、原油価格や米株式市場の反応次第では、暗号資産市場にも再びボラティリティが高まる可能性があります。したがって、足元の反発は前向きに評価しつつも、地政学リスクの後退を完全に織り込むには、もう少し確認材料が必要だと考えます。
BTC(ビットコイン)は並行チャネルレンジ上昇形成スタートか?
BTC/JPY日足:短期的な調整局面から反発局面へ
BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。
MACDはゴールデンクロスを形成し、足元ではトレンドラインを維持しながら、緩やかな上昇形状に移行しつつあります。SMA30(黄色)も価格に近づいてきており、この水準を明確に上抜けることができれば、短期的な調整局面から反発局面へ移行する可能性が高まりそうです。
5月上旬からの大きな下落に対して、6月下旬はその反動による買い戻しが入りやすいタイミングにあると考えます。目先は、1150万円付近で推移しているSMA90(水色)まで上値を伸ばせるかに注目です。
ただし、地政学リスクが再燃した場合や、米株式市場が再びリスクオフに傾いた場合には、暗号資産市場も影響を受けやすいでしょう。そのため、上昇目線を維持しつつも、トレンドライン割れやSMA30での反落には注意したいところです。
4時間足チャート:6月末までに1180万円付近まで上値を伸ばす可能性
BTC/JPY4時間足チャート分析です(図表2)。
週末にかけては、上昇トレンドラインを一時的に割り込み、上昇の勢いにやや失速感が出ていました。しかし、再びこのトレンドラインを回復し、上抜ける展開となれば、短期筋の買い戻しも入りやすく、上昇に弾みがつく可能性があります。
目先のターゲットは、1180万円付近に位置する前回高値のレジスタンスラインです。
また、SMA200(橙)も角度的には数日後にこの抵抗帯と重なってくる可能性があります。そのため、1180万円付近では上値が重くなりやすいと考えますが、この価格帯に張り付いて推移できれば、上抜け期待は徐々に高まるでしょう。
特に、上値を1180万円付近で抑えられながらも下値を切り上げる「アセンディングトライアングル」のような形状を形成できれば、レジスタンス突破の可能性が高まると考えます。短期的には上昇目線を継続し、高値更新に期待したいところです。
ETH(イーサリアム)、1ヶ月平均線突破なるか?
ETH/JPY日足チャート分析です(図表3)
6月の高値は、30万円手前に引けるレジスタンスラインです。BTCと同様に、ETHもこの水準まで上値を伸ばしていく可能性があると考えます。
MACDはBTCと同じくゴールデンクロスを形成しており、SMA30(黄色)も価格に近づいてきています。テクニカル面では、短期的な反発を試しやすい形状になりつつあります。
SMA30をローソク足の実体で上抜けてクローズした場合、今度はこの移動平均線がサポートとして機能しやすくなります。その場合、30万円手前のレジスタンスラインとSMA30の双方が、今後の値動きを判断する重要なポイントになるでしょう。
下値を固めるテクニカル条件が増えてきているため、ETH/JPYについても、SMA30突破後の値動きに注目したいところです。
今週は中東情勢次第の展開となりそうですが、停戦協議に進展が見られれば、暗号資産市場は素直に上昇しやすい地合いになるのではないでしょうか。BTCとETHについては、短期的には上昇目線を継続しつつ、レジスタンス突破の有無を確認していきたいと思います。
今週(6月22日週)のポイント
・中東情勢は依然として流動的ですが、スイス協議の進展期待が市場心理の下支えとなっています。
・BTC/JPYはMACDのゴールデンクロスにより、短期的には反発基調が意識されやすい形です。
・BTC/JPYはSMA30を上抜けられるか、さらに1180万円付近のレジスタンスを突破できるかが焦点です。
・ETH/JPYもSMA30と30万円手前のレジスタンスが重要な節目となります。
・今週は中東情勢と原油・株式市場の反応を確認しながら、BTC・ETHともに短期的な上昇目線を継続したいと思います。
